八岐大蛇(やまたのおろち)とは、言い得て妙
同編集長によると、教団内では「摂理機関は『やまたのおろち』といわれている」ということです。
八岐大蛇(やまたのおろち)とは、日本の神話に出てくる伝説上の蛇で、一つの体に頭が8つあり、娘たちを食べていたといわれます。信者からなる組織が様々な顔を出して、様々な人たちとの結びつきを強めて、旧統一教会の教えに導いていこうとする団体を作っている点において、言い得て妙といえます。
最終的に、この蛇はスサノオノミコトによって退治されます。その時、尾から草薙剣(くさなぎのつるぎ)が出てきたといわれます。これは天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)とも呼ばれて、三種の神器の一つになっています。
実は、言い得て妙といったのは、ここにも理由があります。
旧統一教会の問題が社会問題化してクローズアップされていくなかで、高額献金や霊感商法による被害、ならびに宗教2世の問題が白日のもとにさらされました。
世論に後押しされるように国が解決に向けて動き出します。そして高額献金を規制する被害救済法が施行されて、宗教2世問題の解決のために、厚生労働省から「宗教的虐待」の通知が出されました。最近では、エホバの証人のムチ打ち、忌避の問題も出てきています。
これらの被害が起きた背景には「信教の自由」があるから、何をしても良いという風潮がありました。「信教の自由」の言葉を出されると、人々の思考は停止していました。
しかし今、宗教2世らは「信仰を強制されない権利」を訴えています。
1世信者においても、路上などから、教団の名前を隠されて勧誘されるという、正体隠しの伝道を受けて「宗教を選ぶ自由を奪われた」という主張を行い、伝道の違法性が認められる民事訴訟の判決も多く出ています。
信教の自由だから、何をしても許されるわけではない。そのことに多くの方々が目を向けてくれ始めてくれた結果だと思います。
ある意味、旧統一教会問題が退治されることで、本当の意味での「信教の自由とは何か」を考える風潮が出てきたように思っています。これは永遠に子孫に残せる真実の剣になるはずです。
最後に
同番組からの内部資料には「国会復帰基盤造成のためのロードマップ」があり、2015年までに(旧統一教会は)市民権を得て「普通の宗教」となり、2020年以降には王権を復帰(取り戻す)し「国民の宗教」(国教)にするとなっています。
今回の地方選挙の結果しだいでは、教団の国教化への思惑がさらに進む懸念があります。
二度と深刻な被害を引き起こさないためにも、どの候補者に投票するべきなのか。教団との関係を見極めてからしっかりと足を運んでいただければと思います。
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