ビジネス関係の雑談や上司に対してうまく話せない人がすべき“心構え”

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相談3:営業先で、雑談するのが苦手です

森さんの答え

若手のビジネスマン、それも技術系の方などからよくお聞きすることです。

答える前に…まずは「雑談」そのものが本当に必要なのか?なくてはならないものなのか?これを申し上げたく思います。

「雑談力」などと言われていますが、雑談だけで仕事を取ってくる営業マンがいたらそれはもうサギに近いんじゃないか?と思うくらいなのです。個人的には。実際、そんな人はいないはずですよね、今の時代。

昭和のイケイケゴーゴーの時代にはあったかもしれません。植木等(うえきひとし)の映画で「無責任男シリーズ」というお調子者のサラリーマンがなぜか大成功していくという映画がありました。ご存知でしょうか。映画としてはすごく好きなんですね、これ。

どういう話かというと、植木等演ずる主役のサラリーマンはテキトーなことを言って全然真剣に仕事をしないんですがなぜか社長になっちゃったりする。もちろん話すことはテキトーでおかしなことばかり。人を笑わせたり面白おかしく気持ちよくさせたりして、まあ重宝される存在なわけです。

確かに、営業マンとしてはどんな時も明るく振る舞える、面白い話ができる、雑談が得意、というのはコミュニケーションの潤滑油として有益なスキル、かもしれません。

でも、営業だろうがマーケだろうが経理だろうが、仕事をする上で大事なのは「雑談が上手いかどうか」ではなくて、「仕事をちゃんとする人かどうか」「その仕事を通して、人として信頼できるかどうか」ではないでしょうか。

この人は信頼できる人だな、と感じさせることができる方法は、雑談以外にもあるはずですよ。

雑談が苦手だったら、聞く側に回ればいい。つまり、相手やお客様が雑談したくなるような人物になればいいのです。難しいことじゃない。単に聞き上手になるのです。

人って、なんだかんだいってやっぱり話を聞いてもらいたいですよね。仕事でも色々あるし、言いたいこともいっぱいあるし。ちょっと息抜きでおしゃべり、というのは誰にでも必要。絶対。ならば、雑談がうまくなくても聞き上手になればいいだけです。

ちょっとそもそも論になりますが、この質問をされた方は「雑談ができる人間になりたい」と思っているのかどうか?ここ、ポイントですね。

もしもYESならば、今は学ぶことがかなり容易です。バラエティー番組で場を回すことが上手い漫才師や芸人さんに学ぶといいと思います。

彼らはお金をとってやっているんですから、その道のプロ。こんなにいい手本はいません。好きだなあと思える人をとことん真似るといいですよね。

でも、もしも「いや、雑談できるようになりたい、と本気で思っているわけじゃない、できれば黙っていたい」というNOでならば、無理に雑談上手になろうとする必要はないですよね。雑談が上手くなりたいのは、相手と良いコミュニケーションを取りたいから、という本来の目的があるわけでしょうから。

であれば、手段を「雑談する」に限定する必要はない。自分の個性、すなわち、人の話を聞いたりするほうが得意なら、その力を使わないのは勿体無いです。

私がよく知っている生保のスーパーセールスマンの方はすご~く聞き上手です。その人に会うと、なんだか話を聞いてもらいたくなってしまう。つまり「会いたくなる人」なんですよね。

雑談がうまくて「また会いたい」と思える人もいるでしょうけど話を聞いてもらえるから「また会いたい」というのも当然アリですよね。

無理に誰かになろうとするのではなく、自分にできることを精一杯するのが一番お客様に喜んでいただけることにつながると思います。

最後に。

「話す前に、聞く力」

これはコミュニケーションにおいて最も大事なことです。どうぞ、お忘れなく。 (この記事はメルマガ『スピーチコーチ・森裕喜子の「リーダーシップを磨く言葉の教室」』4月22日号の一部抜粋です。この続きをお読みになりたい方はご登録ください。初月無料です)

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清泉女子大学英文学科卒後、大手印刷関連会社で勤務。その後、ジャズボーカリストの夢を叶えるが、挫折。外資製薬会社に転職しマーケティング部でハードな業務に取り組む中、外国人のスピーチやプレゼンに多く触れ、日本人リーダーの発信力向上の必要性を痛感。30年以上に渡る声の経験にマーケティング、イメージコンサルティング、コーチング、リーダーシップ各論を掛け合わせ、2011年「ボイスイメージ®コンサルティング(VIC)」メソッドを開発して独立。業務で聞いたクライアントのスピーチプレゼンの数は1万回以上(延べ数)。顧客の可能性を引き出すスパルタトレーニング、わかりやすい理論と分析、柔軟に対応できるコンサルティングを得意とする。

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