田中角栄の予言が的中。日本を狂わせた“安倍政権の犬”が作る「戦争国家」ニッポン

 

「戦争を知らない政治家」安倍晋三の大暴走

おそらくそれは、田中角栄自身が二等兵として満州の戦場に赴むき、砲弾や銃弾が飛び交う戦地の体験があり、戦争の悲惨さや虚しさを誰よりも痛感していたからでしょう。1970年代に、米国から泥沼化するベトナム戦争への自衛隊派遣の圧力をかけられたときにも、憲法9条を盾に断固拒否したと言われています。

先人たちが、戦争の反省の上に二度と同じ過ちを繰り返さない、との強い思いで忍耐強く築き上げてきた平和国家日本ですが、今、残念ながら田中角栄の予言通りになりつつあるようです。そして、先頭に立って別の新たな道を歩もうとした「戦争を知らない政治家」の代表格が、昨年7月に銃撃で亡くなった安倍晋三元首相であり、日本の政治腐敗を一気に加速させた張本人もこの安倍さんに他なりません。そう断じると、 安倍さんや安倍さんの路線を支持する人たちからは猛反発を受けるかもしれませんが、戦後世代の政治家として長期政権を築いた安倍さんがたどった道筋を冷静に検証することは、これからの日本の行く末を考える上でも避けて通ることはできません。そして安倍さんは、亡くなった今もなお、岸田政権や日本社会にその影響力を色濃く残しています。

安倍政権下では、前述した防衛装備移転三原則で実質的な武器輸出が解禁され、その後の安保法制の強行採決によって、結局憲法を改定することなく、俗に言う解釈改憲で9条違反にもあたる「集団的自衛権」があっさり容認されてしまいました。しかも、解釈を180度転換させるために、法の番人ともされる内閣法制局長官の首をすげ替えています。安倍さんや菅義偉さんが得意とした禁じ手的な手法ですね。この一連の流れについては、日本弁護士連合会(日弁連)も「我が国の歴史に大きな汚点を残すもの」と抗議をしています。

● 安保法は立憲主義に反し憲法違反です(日弁連ホームページ)

安倍さんは、首相を引退してからも亡くなる直前まで、声高に防衛費倍増を訴えて岸田政権に圧力をかけていましたが、さらに岸田政権では、敵基地攻撃能力だの、GDP比2%の防衛費倍増だの、防衛3文書の策定だのと、完全に歯止めが外れてしまいました。いつの間にか、国会でのまともな議論や国民への詳しい説明もないままに、国是とされてきた「戦争放棄」と「専守防衛」は実質的に破棄されたのも同然となり、我が国は、軽武装・経済優先の国から、重武装・軍事優先の国へと、国の形を大きく変えつつあります。武器輸出については、殺傷能力のある武器にまでその適用範囲が拡大されようとしています。

これらのシナリオは米国が強く望むものであり、米国防総省のFMS(Foreign Military Sales、対外有償軍事援助)という仕組みによる、言い値での米国製武器の浪費的爆買いにも繋がっています。これも大問題ですが、最も恐ろしいのは、集団的自衛権の容認により、米国の戦争に日本が巻き込まれることになるリスクが高まった、という点にあります。政府は、集団的自衛権の行使には、国家の存亡に関わる場合などの厳しい制約条件が付くとしているものの、今の弱腰な対米追従路線を続ける限り、米国からの支援要請を断れるとはとても思えません。そうなると、実質的には自衛隊が米軍の指揮命令系統に入って他国のために戦わねばならなくなる恐れもあります。

イラク戦争でも証明された通り、米国は戦争を起こすためなら同盟国にも平気でウソをつく国です。さらに言えば、世界で唯一人類に対して核攻撃を仕掛けた国は北朝鮮でもロシアでもなく米国です。そしてその標的となったのは日本です。米国は、私自身も若い時から大変お世話になっている国ですし、友人もたくさんいる国ですが、日本人が何故いとも簡単に米国に対しての警戒感を解いてしまうのかについてはかねてからの謎でもあります。

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