詰んだプーチン。ついに「核兵器使用」以外の報復手段が無くなった窮地の独裁者

 

ウクライナ戦争後に3つに分裂するロシア

ウ国防省情報局長のブダノフ氏が描く「未来のロシア地図」は、ウクライナ戦争後にロシアは大きく3つに分裂し、極東とシベリア東部は中国に吸収され、中央の広大な部分には“中央アジア共和国“が誕生。そしてロシア自体はモスクワとサンクト・ペテルブルクを中心としたウクライナと同規模の国になるということである。その方向でウ軍スパイ部隊が暗躍しているのであろう。

プーチンは、ウ軍の攻撃に対して報復の手段がないことと、ロシア内強硬派の総動員を行う要求に対して、有効な方策をなくしているようである。2024年4月大統領選挙なので、国民に評判の悪い総動員令をしたくないようである。

それと、FSBがプーチンに戦場の事実を伝えていないことで、プーチンがロ軍の現実を見ていないことで、判断ミスを繰り返しているようである。

その点、エフゲニー・プリゴジンは、戦場の一線に立ち、事実を知っていることで、ロ正規軍の不甲斐なさを知っている。それと、プリゴジンは、ロシアの国境守備が脆弱であるとして、ワグナー軍を国境防衛に当ててくれと要求している。

さらに、プリゴジンは、「今のウ軍は、昔のようなビビリじゃない。相手が弱いと甘く見ていたら、ボッコボコにぶちのめされて、リングを降りることになるぜ」という。

このため、大統領選挙を視野にロシア全土を巡るプリゴジンは、「総動員令の早期発出」「(凍結中の)死刑執行の復活」「計画経済の導入」などが喫緊の課題だと訴えた。また、ロ軍のウクライナ侵攻について「東部ドンバス地方解放に2年、首都キーウ(キエフ)到達に3~4年かかる」と長期化を予想した。

このプリゴジンの野望に対して、カディロフ軍の幹部は、プリゴジンを批判し始めた。イゴール・ガーキンもプリゴジンを批判している。というように、反ロ軍強硬派が分裂している。

それと、クリミア大橋の柱にビビが入り、強度不足が心配な状態であり、ドイツが射程500kmの「タリウス」をウ軍に供与すると、今の時点で攻撃できることになる。バイデン米大統領も射程300kmのATACMSの供与を仄めかしている。

ドイツはロシア内自国領事館を4つ閉鎖したが、ドイツ内ロシア領事館も4つ閉鎖を要求している。ドイツとロシアの外交関係は厳しくなる。

孤立化が激しいロシアのプーチンは、ICC締約国である南アで行われるBRICS首脳会議に出席することを狙っている。「外交免責」を与えるための法改正を行うとしている南アは、今のままでは逮捕する義務がある。

カザフスタンのトカエフ大統領は、ドイツに対し、制裁を受けている露のロスネフチの代わりに、現状の6倍となる100万トン以上のガスや石油を輸出できるとして、ロシアの石油・ガス代替を求めた。カザフスタンもロシア離れが確定した。

続けて、アルメニア・パシニャン首相は「ウクライナとロシアの戦争において、我々はロシアの味方ではありません。この戦争は私達の様々な関係に影響を与えている為、不安を感じています」と。

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