海外じゃ通用しない。妙な「日本の常識」がグローバル化の邪魔をする

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2.相手を見ることをタブー視する日本

日本人は相手との距離、相手との関係をとても重視します。逆にいうと、日本人同士は互いに信頼するというのが、暗黙の了解です。

互いに信頼しているはずなのに、相手をジロジロと見るのは失礼な行為です。日本では、「眼を飛ばす」という言葉があり、見ているだけで、「何、眼飛ばしてんだ」と絡まれることもあります。つまり、あからさまに相手を見ることは、タブーなんです。

しかし、その常識は日本国内でしか通用しません。日本に来ている外国人にも通用しないのでトラブルを招くこともあります。肩が軽くぶつかっても、相手を見て「ソーリー」といえば、それで済みます。しかし、無言のまま、あるいは舌打ちして遠ざかっていった場合、相手は自分が侮辱されたと想い、全力で向かってくるでしょう。

日本人が相手の目を見なくなったのは、いつごろでしょうか?武士の時代は、相手から目を外すことはタブーでした。相手が切りかかっても対応できるように常に相手の目を見ていたからです。

商人も、お得意様に失礼があってはいけないので、常に周囲に目を配り、相手より先に自分が気がつくことが大切でした。そうすれば、単なる挨拶でも相手の先手を取ることができます。

多分、相手の目を見なくなったのは、デジタルコミュニケーションの進化と反比例しているのでしょう。

目の前に人がいても、その人の目を見ない。つまり、その人の存在を認めない。電車の中で化粧をするという、昔なら非常識な行為が定着したのも、目と目を合わせるコミュニケーションが崩壊した証拠でしょう。

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