使用済み核燃料プールに残されたものの何が危険なのか?
この使用済み核燃料は、数年間、水を循環させるプールの中で冷やし続けないといけないものだからです。
これを万一空気中に露出させると、原子炉内での連鎖的な核分裂反応(臨界)が起こらなくても、核分裂時に内部に閉じ込められた放射性物質が「崩壊熱」を出し続け、温度がどんどん上昇し、高熱を帯びていく──というのです。
すると、どうなるか。
核燃料の被覆管が壊れ、放射性物質が漏れだし、露出した被覆管と水蒸気が反応し、水素が生まれて爆発の可能性があるというのです。
そうなると、この使用済み核燃料は再度の核分裂(再臨界)を誘発しかねません。
ここで再び核分裂が起きると、原子炉圧力容器や原子炉格納容器に覆われていないために、中性子線を東日本の広範囲に拡散させることになるのです。
そうなると、どえらい被害を拡散します。
中性子線は透過力が強く、60%が水分で構成される人体への影響は甚大です。
同じ放射線のガンマ線と比べても腫瘍発生率は3~200倍、寿命短縮は15~45倍ともいわれる強力なものだからです。
これを放置すれば、次々と人が死んでいくのです。
東日本の人々は、生命が危ぶまれ、日本人類の消滅の危機にも到りかねないわけです。
本来こうした使用済み核燃料は、十分に冷却した後、青森県六ケ所村の再処理工場で新しい核燃料に加工する前提がありました(残った高濃度放射性廃棄物は、まだどこにも決まっていない最終処分場に埋める見込み)。
しかし、その目途も立っていないため、使用済み核燃料プールから取り出した燃料は、原発敷地内にある共用プールで保管しているのが現状なのです。
「トイレのないマンション」と原発反対派の人々が揶揄する通りの惨状を呈しています。
日本は、火山・台風・地震・津波の災害大国です。
ゆえに、北朝鮮のミサイル攻撃や航空機の自爆突入攻撃も懸念されるのです。
こんな危険な原発が、日本には54基もあるのです。
建屋上部には、いずれも使用済み核燃料プールが存在します。これが崩れたら、日本はどうなるのか──という危機的状況が今も日本中にある のです。
このうち現在稼働中の原発は、10基です(定期点検で停止中含む)。
自民党の岸田政権は、老朽化した原発も含め、再稼働に舵を切りました。
再び、大地震が起きて、使用済み核燃料プールが崩壊したら、いったいどうなるのか。
本当に何も考えていないカラッポ総理だと思わされるゆえんなのです。
岸田氏がカネにまみれた原子力ムラの連中の「原子力推進スクラム」に抗しきれなかったことがバレバレなのが現状です。
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