まだ福一原発事故は終わっていない。処理水よりも深刻な「使用済み核燃料プール」の中に残るヤバい物

 

またしても東電のオタメゴカシの新しい「お約束」が登場!

東電は海洋放出に当たって、次のように説明しています。

※ トリチウムの年間放出量は、事故前の福島第1原発の放出の上限である年間22兆ベクレルを下回る水準とし、定期的に見直します。

※ 環境影響のモニタリングの分析には、IAEA(国際原子力機関)の協力も得ることで、信頼性を確保します。

※ 放出に伴う風評被害が発生した場合は、東電が賠償することにし、期間や地域、業種を限定せず、被害の実態に合わせて迅速かつ適切に対応します。

※ また、政府も、農水産物の販路の拡大や観光客の誘致などを支援します。

──といった表向きの方針が発表されていますが、本当に信用してよいのでしょうか。例によって大ブロシキをすぐ拡げただけではないでしょうか。

漁業関係者への、今のところの風評被害補償金も1,000億円強を積み上げましたが、これも国民の税金ということが忘れられています。

国のカネではありません。国民の血税なのです。

しかも、これからも日本産の輸入禁止措置を中国が採り続ける限りでは、1,000億円ではとても足りなくなります。

今まで政権忖度の腐ったマスメディアを信じていた国民は、他国の原発処理水と同じ「トリチウム水」と錯覚させられてきたのです。

こうした恐るべき、マスメディア誘導が行われてきたのが、この国だったのです。

何か将来に、とんでもない「どんでん返し」が待っていて、後世の日本国民が世界中から叩かれるのではないのか?……と訝しさが募るばかりなのです。

そもそも、事故発生時でも「炉心溶融」といわずに「炉心損傷」!

2011年3月11日の福島第一原発事故時においても、平気で大ウソをついていたのが東電でした。

3月12日午後に1号機、3月14日午前には3号機の建屋が爆発し、核燃料がメルトダウン(炉心溶融)したかもしれない──という懸念が高まった際にも、東電の会見で出たのは「炉心溶融(メルトダウン)」ではなく、「炉心損傷」という事故を矮小化させた言葉だけでした。

その当時にも東電の言い訳は、コロコロ変わりました。

「メルトダウンはしていない」>「やっぱメルトダウンしていました」

「そもそもメルトダウンの定義がない」>「ちゃんとマニュアルに定義されていました」

「メルトダウンの言葉は官邸から口止めされていた」>「実は社長判断で口止めされていた」

大ウソの連発でした。

今後の「処理水」の海洋放出でも、また同じことを繰り返すのではないのでしょうか。

「基準値を上回る処理水は海洋に放出していない」>「基準値以上の海洋放出の処理水が一部含まれていた」>「検出機器に一部故障があったが、通常点検でわからなかった」>「機器の故障に1年以上気づかなかった」>「海水に異常は見られない」>「半径5キロ以内で採取した魚類から基準値以上の放射性物質の蓄積が見られた」>「結論としては再発防止に努める以外にない」>とにかく反省のポーズだけとります!

これが、何年後に起こるのか。

そして今度は、世界中からバッシングを受けるのは間違いないことでしょう。

「海洋放出を直ちにやめて、陸上保管に急遽切り替える」などと、その時になって右往左往する事態が起きないのかと、今から心配が尽きないのです。

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