反撃開始に逃げ出した加害者と担任
明けて翌日、加害者らは担任に呼び出され別室に移動した後、みんなが体育をしている時間に帰宅したとのことであった。
一方、翌日3家族が教育委員会で被害を訴えたことで、学校にも連絡が入った。当初は学校とやり取りしてくださいと教育委員会の職員は言っていたようだが、結局、教育委員会の指導主事が必ず同席するということになった。
当然だが都内ということもあり、私は担当課課長に連絡をして釘を刺しておいた。
後日、学校が緊急的にいじめについてのアンケートを取ると、出るわ出るわで加害グループの問題が出てきたそうだ。
一方、加害者らは登校していない状態になっていた。当初は窃盗の件、その後いじめの件という形で指導するという連絡が入って、逃げたのだろう。
そのためか、クラスは平和になり、しばらくしてから、試しにBさんとCさんが登校してみたら、他の生徒らはそれぞれが謝罪し、歓迎された。
Aさんとズットモ2人のズットモ3人組が声掛けするなどして、BさんもCさんも無理のない範囲で登校できるようになった。
また、担任は体調不良を訴え、こちらも学校に来ていない状態であった。
これを報告してくれたAさんは、はじめとは全く異なり、明るい表情で笑うなど元気な様子であった。
この親にしてこの子あり。加害保護者からの抗議
めでたしめでたしと言いたいところだが、反撃事件から2週間後、加害者の保護者らが学校と社会からいじめられたという意味不明な訴えで学校に乗り込んできたそうだ。
その主張をまとめてみると、以下のようなものだった。
いじめが続いてしまったのは先生たちがきちんと指導しないからだ。
被害者の子たちが弱すぎるからいけないのだ。
他のクラスメイトが止めていればこんなことにはならなかった。
今はうちの子が被害者だ。賠償と謝罪を求める。
(加害保護者らからの抗議内容)
聞き及ぶ限りだから真にどうなのかは不確かだが、2方向から同一の主張をしていると報告があったから、まず間違いないだろう。
我が子が飲酒や喫煙をしたり、窃盗事件を起こしていたことについては、それはそれ、これはこれなんだそうだ。
ちなみに、靴屋の店主によれば、盗まれたサンダルが後日シャッターのところにコンビニのビニール袋に入れて置いてあったそうだ。証拠品として、すぐに警察に届けたとのことであった。
ちなみにこの店主はさびれた靴屋のオヤジではない、確かに靴屋は昔からの家業であるが、周辺の土地やアパート、月極駐車場などを貸す資産家である。
謝りに来れば許すと言っていたが、コンビニ袋に盗まれた商品、手紙の一つもないことで怒り心頭な様子であった。
もはやこの親にしてこの子ありの状態なのだろう。
現状は被害側が平和に登校できるようになり、加害側が不登校の状況にある。経過を見ていく必要があるが、本件には様々なよく起きる問題が内在しているのだ。
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