現実としては「放置」されるいじめの被害者たち
現在の状況は、簡単に評価すれば放置しており、被害者の自己責任のもと、なんの支援もない。あるにはあるが、使える支援策ではなく世間知らずのおぼっちゃま政治家と国民をいたぶることで出世するお官僚様の考えた「なんちゃって支援」程度しかないと言わざるを得ない。
つまり、現実としては「放置」だ。
嘘だと思うなら、実際に被害に遭っている被害者家族に訊いてみるといい。今X(旧Twitter)にはそういうコミュニティもある。
何の非もなく突然被害を受け、様々な理不尽や暴力や暴言、人間としての尊厳を奪われた被害者にさらなる負担を負わせ、世の中は世知辛いのだと冷たくあしらい、少数の声など聞こえぬふりで搾取の対象とするのが是か、加害行為を行い人が苦しむ様子をまるでエンターテイメントのようにして、自らのストレスの発散を他者に向け、人の尊厳をむしり取り、人権を侵害し、生きる気力すら奪い、金銭や友人をも引きはがした者を基本的人権があるからと何の更生教育をも受けさせずに教室に解放し続けるのが是か非か。
今回の件では、Instagramの裏垢が確認でき、非行の様子を投稿していたことが重なって加害側は責任追及を恐れて逃げる策を採ったから、クラスに被害側が戻れたという幸運があった。ただし逃げる策が必要なくなったら、間違いなく加害者はクラスに戻ってくるであろう。他のクラスメイトはこの数週間で、加害者らに抑圧されていたことの実感があり、また、何もしないことが加害行為への加担だと知って、二度と起きないために1人1人が連携同盟をして加害行為に立ち向かうと決心してくれたようだが、こうなっていくケースは極めて稀である。
今、不登校は過去最多、いじめの被害者も認知数から過去最多と言っても過言ではない末期的状況にあり、多くの被害者は有効な支援策と制度の改定を求めている。
回復困難な「いじめ後遺症」も
現在のところ連絡を取り合い、経過を見守っているところです。
これから先どうなるかによって、対応を介入として前面に立つこともあれば、アドバイスコントロールの立場で軍師を続けるということも考えられます。
Aさんたちは私が中学生のときよりはずいぶんしっかりしていますが、受けた心の傷はかなり深く思い出すと歩く足を止めてしまうほど苦しくなります。
今、加害者らと同じ空間にいることは耐えられないと思いますが、いずれ経験として乗り越えていくと思います。
いじめ後遺症という言葉があるように、回復の余地がないという診断が出ることもあります。症状固定とか、色々な専門用語が飛び交う中、精神科医の先生に色々尋ねたことがあります。その際に、色々な回復プログラムはあるが、全ての病気を治せるわけではないように、全てどうにかなるわけはないと言っていました。
いじめは犯罪、そう言っても確かに過言ではない。それほどまでに人を苦しめることが、「あって当然」から考えなければならないことこそが、辛い現実だと思いました。
争いなく、楽しく、元気に、一人ひとりが自分らしく過ごせたらいいんですけどね。
まずは、被害者3人同時に被害状態から抜けさせることができたことで、今回は良かったこととしようと思います。
加害関係者の方、担任の先生、相談なら聞きます。
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