加害者は5名。酷すぎる「いじめ」を受け続けた女子中学生が成功させた“反撃”の全記録

 

加害者が奨学金を受けていた湖西市のいじめ事件

多くのケースでは、加害者が残り、被害者がクラスから出ていく。しかし、世間的には、加害者が別室、被害者が登校できるようにすべきだと意見が多い。

不登校になることで出席日数やいわゆる通信簿の評定が極めて低い評価になり、進学に不利になることは多く、学習支援策がほとんどなかったり、あってもごく限られていることも多い。

つまり、理不尽ないじめによって教室に入れない状況になることが多い被害者は、不登校になるも教育行政としての学習支援策がごく限られていたりほとんどなく教育が受けられず、評価評定も最低評価をつけられて、進学ができなかったり、ごく限られた進学先しかない状態になるわけだ。

こうした場合、フリースクールや通信教育などの一定の有効策はあるが、フリースクールのフリーは無料の意味ではなく、相応の授業料などが掛かってくる。結果、被害側は、青春を謳歌するキラキラした加害者のInstagramを横目に、いじめさえなければ、当然に支払うこともなかった教育機関への費用を払うという経済的な負担をも負うことになる。

裕福な家庭ならまだしも一般的な家庭、低収入家庭だと、この教育費は大打撃になる上、夫婦のいずれかが仕事を辞めサポートに徹するというギリギリの生活を強いられることもある。

以前、『伝説の探偵』で取り上げた湖西市のいじめ事件では、加害者は奨学金を受け、被害者は結構な額の教育費を家庭で負担しているという極めて理不尽な問題が生じているが、市教委、市長は誤った判断と対応をしていたのにも関わらず、被害者には謝罪をせず、テレビ画面で世間に頭を下げたり、もしも仮にそうなら悪いことをしたというような曖昧表現で、被害側からの面会要請を無視し続けている。

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まあ、こういう問題を指摘すると、教育機関やその行政にぶら下がった民間団体のそれっぽい御用達活動家などから、じゃあ、加害者は教室に入るなってこと!罰を与えればいいの!という大批判を喰らったり、加害者の人権を無視する非道な活動家だと吊るしあげられ、アイツは危険だとすでに言われているが、そういう単細胞で物事を考えてはいけない。

AでなければB、BでなければAというほど、簡単な方程式で人間の社会はできていないからだ。

被害者支援をする事で加害者や隠ぺい側と対峙すると、専門家と呼ばれる一部の人から危険視されたり要職を外されるというのはどうも解せないが、この国の形なのだと納得している。

さて話を戻そう。

いじめ行為が深刻になると、教室内でどちらが残るかのサバイバルが起きてしまうのだ。加害者が残れば被害者は教室に入れなくなる。だから、ここまで行くと被害者が教室に戻る場合は加害者が教室から出ていくしかないということになる。

確かに深刻とまでいかない場合は、双方が教室に残れるし、逆転現象として被害者が加害者に、加害者が被害者になるケースもある。

であれば、そうした深刻にならないようにするためにはどうするか?という観点が重宝されるのだが、それはそれでとても良いことだからどんどん進めてもらっていいのだが、実際に深刻になるケースがあるわけだ。正確な数字とは言えないながら、2022年度の文科省の重大事態いじめの認知数は過去最多で900件を超えている。

つまり、酷くなる前策はより重要だが、起きてしまっている事実の際にどういう選択をすべきかもしっかりと決めておく必要がある。

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