自民議員を支配する、どす黒い権力意識と「被害者意識」
つまり、否認イコール課税というのが民間の常識なのです。塩谷氏をはじめとする政治家は、この常識が完璧に欠落しているということになります。
そこにあるのは、どす黒い権力意識です。これが第3の問題です。
自分たちが自由経済を守り、国を守っている、野党には任せられない、でも選挙地盤にはカネを投入しないと当選できないという一種の被害者意識のようなものとも言えます。
【詳細】日本人が知らない自民党議員の大義と「被害者意識」なぜ彼らは世論をいとも容易く無視できるのか?(冷泉彰彦)
「俺たちが国を動かしてるんだからガタガタ言うな」
実はこの被害者意識は、「自分たちが国家を動かしている」という権力意識と裏表の関係にあるわけです。この2つの身勝手な意識が一緒になることで、どういうわけか完全に罪の意識が消えてしまうのです。
そうした思考法、発想法の全体が国民に対する裏切りだということに、とにかく気づかない限り、自民党の信用回復というのは難しいと思います。
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