日本のいじめ対策は加害者が激甘
日本にはいじめ防止対策推進法がある、成立してもう10年を超えたが、未だに、施行から10年を迎えてどう変わった?みたいなことをテーマに話し合いが続いていたりするが、もうしばらくすれば11年経つ。
良かった点もあれば悪かった点もあるが、悪かった点を改善しようとした超党派の議連は座長試案という座長の暴走でとん挫した。
つまり、そのとん挫が今の混乱を助長したと言える。
※詳しくは「いじめ探偵が告発する『いじめ防止法』座長試案の許せぬ改悪部分」
さて、いじめの加害者の処分処罰については、各校設置の「いじめ防止基本方針」や「校則」を参考にしてもらいたい。その理由は、学校には一定の自治があり、その処分などは学校に認められているからである。とはいえ、大まかなルールはある。
そのルールで言えば、「明確な処罰や不利益処分というものは存在しない」ということだ。
特に小学校中学校における処罰などはない。つまり、処罰を含めた対処がある諸外国のように、いじめの加害者には、こと日本においては、学校によって処罰を下されることはないのだ。
諸外国では退学はもちろん、刑に処せられる国もあるし、加害者に問題があるという理念から心理療法などを受けなければならないというルールもあるが、日本にはそういうルールがないわけだ。
これについては、ぜひとも立法機関によって研究でも進めて、決めてもらいたいところだが、そう動きは今のところ皆無と言っても過言ではないだろう。
つまり、日本では、加害者に激アマなのだ。
都内でいじめ自死が問題となったある市では、被害者がいじめを苦に自死した聞いた加害者が、ガッツポーズをしたと聞く。そして、計画より被害者が早めにこの世を去ったしまったと他の加害者にLINEした。その後何のお咎めもなく、その親は「うちの子は何もしてない!」と弁護士をなぜか雇ってガードさせて、保護者会ではありもしない被害家庭での虐待が疑われていると市教委と一緒に噂を立てた。
今ではきっと高校生くらいになっているだろう加害者は、当時の事をすっかり忘れ、アナウンサーになるんだと大学を物色しているという。
一方、当時いじめを隠ぺいした校長以下、担任、学年主任、教頭は出世し、校長は教育長に上り詰め、教頭は地域で最も良いとされている学校の校長になっている。少しだけ抵抗した養護教諭は、どこかに飛ばされた模様で、連絡すらつかないのだ。
後にいじめが認定されても、そのときには関係者がもうそこにはいないというほどの時間が過ぎているのだ。
つまり、日本は加害者に甘いというより加害者天国であり、隠ぺいすると出世するという極めて歪な環境にあると言っても過言ではない。正直者が馬鹿を見て嘘つきが出世し、世の中を動かしていると穿った見方もできるだろう。
現状を正確に把握することは何よりも重要なことだという意味で、2024年現在における事実は、いずれにしても「加害者はまず処分されない」(今のところ)と理解しなければならない。
相談者にはこれを言うといきなり怒り出す人もいるのだが、私も同様に、激アマ天国だと思ってその現状を何とかしようと声を上げている方なので、ちょっと困るわけだ。道案内を頼まれて、道を教えたら、遠いって怒られたみたいなものだ。
では、どうするか?が対策を立てる上での肝なのだ。
それには学校自体、クラス自体、部活自体の環境の情報がまず必要になってくる。例えば、厳しい部活であれば、いじめは一発退部の可能性もある。学校であっても、正しい校長がいれば、処罰はないにしろ教育範疇での更生を加害者は求められることもある。そうなれば、ある程度の証拠を整えて、いじめの事実を申告すればいい。
まあ、こういう判断ができる相談は稀な方だ。不登校になっていますという場合は、まずこの環境が緩いのだ。
この記事の著者・阿部泰尚さんのメルマガ