「中国は南西諸島だけを狙う」沖縄本島130万人の生命を軽視
第3に、従って、中国本土や台湾の在留邦人を救出する暇などなく、ましてや南西諸島10万の住民プラス2万の観光客を1週間もかけて九州方面に疎開させるなどという計画が画餅に終わらないはずがない。
仮にそれが上手くできたとしても、それが完了する前に台北の事態は決着している可能性が高い。
第4に、その場合、中国が狙うのは必ず南西諸島だと決め込んでいるようで、その証拠に沖縄本島の県民は島外へ出ず「屋内退避」をさせることになっている。
もし中国が開戦と同時に日本を狙うとすれば、まずは第7艦隊空母が駆けつけるまでの間、最重要の爆撃機・戦闘機・偵察機の出撃基地となる嘉手納空軍基地と、オスプレーによる兵員・物資の輸送拠点となる普天間海兵隊航空基地になるはずで、真っ先に避難させるべきは本島の130万人である。出鱈目なのだ。
(メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2024年3月11日号より一部抜粋・文中敬称略。ご興味をお持ちの方はご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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