岸田首相に「森喜朗を血祭りにあげる」気概なし
森氏への岸田首相による聴取や、国会での証人喚問を求める野党に対し、岸田首相は「森氏も関係者の一人。(聴取対象に)含まれ得る」と述べ、森氏に会うことを否定してはいないが、今のところ積極的な姿勢はうかがえない。
森氏のことだから、直接、岸田首相に電話して、火の粉が自分の身に降りかからないよう何らかの圧力をかけているかもしれない。
二度の政権交代を実現した小沢一郎氏は、次の衆院選への不出馬を表明した二階俊博元幹事長にからめ、岸田首相の政権運営を党内グループ会合で、次のように評したという。
「清和会(安倍派)をズタズタにやっつけて今度は二階を引退に追い込んだ。二階氏も劣らずにしたたかだけど、今の状況では(岸田氏に)かなわない。だから注意しないといかん。油断するな」(朝日新聞デジタルより)
岸田首相を「したたか」と見るか、「場当たり的」と見るかは意見が分かれるところではある。かりに「したたか」だとすれば、今こそ森氏を血祭りにあげて世間の喝采を浴びるチャンスのはずだ。
しかし残念ながら、岸田首相にその気概はないと見る。
4月10日にはバイデン米大統領の招きにより、国賓待遇で米国を訪問、日米首脳会談や大統領夫妻主催の公式夕食会にのぞむ予定だ。
バイデン大統領に依存して政権浮揚をはかるという、気楽な胸算用は相変わらずなのだ。