欧州の「付加価値税」と日本の「消費税」の根本的な違い!
欧州には、日本の消費税に相当する「付加価値税」が存在します。
しかし、日本と大違いなのは、医療費や高等教育が無料になるなど、政策効果が目に見えてわかる税制になっていることなのです。
ゆえに国民の納得度も極めて高い税制となっています。
しかも、コロナ禍の大変な時期には、各国とも税率を下げる「付加価値税」の減税まで行いました(日本では政権与党・自民党は野党からの要求を一切拒否してやらなかった)。
導入時から食料品には、日本の8%よりも、もっと低い税率になる「軽減税率」が適用され、生活への打撃を防ぐ手立てが十分整えられた上での付加価値税になっています。
経団連と自民党のタチの悪さは、日本の消費税は、社会保障の充実を図るため――などと国民を騙しての導入だったからでした。
しかし、本当の狙いは、法人税率と所得税率の緩和・減税がそもそもの大目的でした。
大企業と富裕層への優遇政策のためだけでした。
日本での「消費税」は国民生活を貧乏にさせるだけの逆進性の高い不公平なばかりの税制になっているのです。
それでも経団連は、表面的な税率だけを欧州と比べ、自民党に対し、欧州並みに消費税率をもっと上げて(段階的アップで2025年に19%へと提言)、そのカネで大企業減税をさらに増やせ──と自民党に提言のカタチをとった命令を下しています。
輸出大企業の加盟が多い経団連は、輸出品に消費税がかからないため、大企業は「輸出還付金」として、下請け企業に払ってもいない消費税分を毎年6兆円分も濡れ手に粟で儲けられます。
企業努力もせず、製造規格はインチキ偽装して出荷するなど、税金にたかる構造が顕著なのが、日本の大企業なのです。
経団連の自民党への命令では、労働法制においては、派遣労働を解禁し、「中間搾取」「有期雇用」「間接雇用」を実現させ、安い労働力供給拡大の道を推進してきました。
今や何でもアリで、派遣労働者の他にも非正規雇用は増え続け、雇用者の4割にまで拡大しました。
そして、3K労働(キツイ・キタナイ・キケン)にあっては、「外国人技能実習生制度」という名ばかりの技術修得を御旗に、奴隷労働制度を拡充してきただけなのでした。
こうした経団連と自民党の「賃金下押し波及政策」は大成功で、30年間賃金の上がらない日本国を創り出したのです。
貧乏な労働者を増やし続ければ、老後の貧困者も激増する!
現役時代に貧乏な雇用者を増やせば、老後の年金額も少なくならざるをえません。
年金が生活費に不足する65歳以上高齢者は、足りない分を生活保護に頼るしかなくなります。
現在、生活保護受給者数はすでに202万人と、1946年の敗戦直後の人数と同レベルです。
しかもこの人数の半分強が65歳以上高齢者なのです。いかに高齢者が貧乏かが、よくわかります。
カネを持っていて、特殊詐欺に騙されるような高齢者は、ごく一部なのです。
現在の生活保護の総支給額は約4兆円ですが(国が4分の3、自治体が4分の1の負担)、8つの扶助のうち、高齢者対象の医療扶助は爆上がり必至で、このままのペースで増え続けると2040年には生活保護費の総額が9兆円にまで膨らむと推計されています。
現行の2倍以上です。
そうなると国も自治体も、お手上げ状態で、制度そのものが壊滅しかねないのです。
こういう悲惨な未来を平気で作り出そうとしてきたのが、経団連であり、自民党なのです。
とまれ、日本の未来は、真っ暗闇です。
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