トランプ氏の有罪評決にほくそ笑む中国の策動。アメリカ内戦勃発の破滅的シナリオを世界は回避できるか?

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トランプ前大統領が、不倫の口止め料をめぐり不正会計処理の罪に問われた裁判で有罪評決が下されました。トランプ氏は早速「恥ずべき不正裁判」と無罪を主張、支持者たちも団結する姿勢を見せていますが、これは中国やロシアにとって渡りに船の展開と言えそうです。今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが、米大統領選後にアメリカ内戦が勃発する可能性を指摘。米国の弱体化を狙う習近平とプーチンが、窮地のトランプ氏を“援助”するシナリオを考察しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:トランプ有罪!アメリカ内戦勃発までのシナリオ

「有罪判決」でもトランプ氏は米大統領選に出馬する

皆さんご存知と思いますが、トランプに「有罪評決」が下されました。

「読売新聞オンライン」5月31日付。「トランプ氏に有罪評決、大統領経験者で初めて…米陪審『不倫口止め』公判」。

米国のトランプ前大統領が不倫の口止め料を不正に処理したとされる事件の裁判で、ニューヨーク州地裁の陪審団は30日、業務記録を改ざんした罪でトランプ氏に有罪の評決を下した。大統領経験者が有罪の評決を受けたのは初めて。

これ、どうなのでしょうか?彼は今後どうなるのでしょうか?

11月の大統領選で共和党の候補指名が確実なトランプ氏は、有罪になっても立候補は可能とされている(同上)

「有罪になっても立候補は可能」というのは、面白いです。これまでの経緯を見てもわかるように、トランプさんの支持者は、宗教団体の教祖様を信じるように、彼を信じています。いわゆる「岩盤支持者」は、この判決で揺るぐことなく、トランプ支持を続けるでしょう。

ただ、

が、勝敗のカギを握る無党派層の支持は減る恐れがある。(同上)

これは、その通りでしょう。

習近平とプーチンが支援する、アメリカ内戦勃発のシナリオ

しかし、アメリカの問題は、もっとも根深く、深刻です。今年の年末、アメリカでは、冗談ではなく「内戦が勃発する可能性」があるのです。

起こるとすれば、どんな形ではじまるのか、だいたい予想がつきます。

まず、11月に大統領選挙がある。トランプが勝ったらどうでしょうか?アメリカ全土で、「反トランプデモ」が起こるでしょう。しかし、このケースで内戦が起こるとは思いません。

問題は、選挙でバイデンが勝って、トランプが負けたときです。トランプは、ほぼ確実に、「大統領選挙では大規模な不正が行われた。ほんとうに勝ったのは私だ!」と宣言するでしょう。

アメリカ全土で大規模なデモが起こります。そして、大規模なデモが大規模な暴動に発展していく。大規模な暴動が、内戦に転化していく。こういうシナリオです。

アメリカの弱体化を望む勢力、具体的にはプーチン・ロシアと習近平の中国が、トランプ勢力を支援するでしょう。

【関連】米国に頼ってばかりはいられない。今こそ日本が「核の抑止力」について考えるべき理由(川口 マーン 惠美氏)

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