止まらぬ中国の嫌がらせ。軍事威嚇では飽き足らず元軍人をモーターボートに乗せ台湾に送り込む習近平政権の姑息

 

「純粋に個人の行動」。あくまでシラを切り通す中国政府

これについて中国側は、次のようにしらばっくれています。以下、報道を一部引用します。

台北市に通じる淡水河にモーターボートで侵入した中国人の男が台湾当局に逮捕された事件で、中国政府は12日、侵入は個人の行動で、台湾は重大な疑念を抱くべきではないと表明した。

男は台湾海峡をモーターボートで渡り、淡水河の河口に侵入し、台湾海巡署(海上保安庁に相当)に9日に逮捕された。当局は、男が元中国海軍大佐で、台湾の防衛能力を探っていた可能性があると指摘していた。

中国で台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室の陳斌華報道官は定例記者会見で、男の行動について「純粋に個人の行動」だと説明。「(台湾与党の)民主進歩党は、兵士があちこちに隠れて、ひそかに政治工作を行っていると見なす必要はない」と述べた。

陳氏は男が帰国後に処罰されるとも語った。

中国「重大な疑念抱く必要ない」、元軍人の台湾河口侵入巡り

もちろん台湾当局は、この男は政治亡命のためにやってきたとは考えていません。これが「グレーゾーン作戦」なのかは不明ですが、中国による台湾への嫌がらせであると考えていいでしょう。

そして、小型船事件の少し前ですが、台湾の顧立雄(こりつゆう)国防部長(国防相)は以下のような発言をしています。

顧立雄(こりつゆう)国防部長(国防相)は6日、基線から12カイリ(約22キロ)の領空や領海に中国軍が許可なく進入したら、自衛権を行使する命令を下せるとの見解を示した。

顧氏はこの日、先月20日に就任して以降初めて、立法院(国会)外交・国防委員会に出席した。

最大野党・国民党の黄仁立法委員(国会議員)と王鴻薇立法委員から国軍の「第1撃」と自衛権の定義について問われたのに対し、中国軍が台湾に対して発動する行為のみが「第1撃」であり、国軍が行使するのは自衛権だと言及。航行中の航空機や艦艇、施設、台湾本島、離島を中国軍が攻撃したり、いかなる飛行物体が許可なく領空や領海に進入したりすれば、自衛権を行使する命令を下せるとし、比例原則にのっとって自衛のために反撃をすると述べた。

中国軍が領空・領海に進入すれば「自衛権を行使できる」=国防相/台湾

もしかしたら、この発言が中国を刺激したから小型船がやって来たのかもしれませんし、それは分かりませんが、中国は少しでも台湾側が気に食わない発言をしたら、それを理由にアクションを起こす準備は万端で、そのチャンスを虎視眈々と狙っているように思えます。

頼清徳政権は、この点を警戒すべきでしょう。

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