被害者ヅラして台湾に嫌がらせ。エスカレートする中国の無法行為

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弊サイトでも既報の通り、台湾の総統選で当選した頼清徳氏を「独立派」とみなす中国がエスカレートさせる台湾への嫌がらせ。その加速は止まることを知らない状態となっているようです。今回、台湾出身の評論家・黄文雄さんが主宰するメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では、2月19日に起きた中国当局による台湾遊覧船への臨検を伝えるニュースを取り上げ、習近平政権の無礼さを強く批判。その上で、周辺国の領土の実効支配を狙う中国に、日台両国がいかに対処していくべきかを考察しています。

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台湾への嫌がらせもエスカレート。日台領土の実効支配を目論む中国

中国海警が金門島周辺で台湾の遊覧船を臨検 漁船転覆を機に周辺海域で実効支配覆す思惑か

台湾の総統選挙が終わってから、中国の台湾への嫌がらせが明らかに増えています。台湾と外交関係を持つ国に中国が圧力をかけて台湾と断交させたり、台湾海峡の上空に設定している民間機の航路のひとつを、台湾の許可なく一方的に台湾寄りに変更するなど、様々な手段で圧力をかけてきています。

そんななか、金門島周辺の海域で事件は起きました。詳しくは以下、報道を一部引用します。

中国福建省に近い金門島周辺の海域で14日午後、海巡署(海上保安庁に相当)の巡視艇による追跡を受けていた中国船1隻が転覆し、中国人乗組員4人のうち、2人が死亡した。台湾で対中政策を担う大陸委員会は15日、報道資料を通じ、中国人乗組員が法執行に応じず不幸な事件が起きたことについて、遺憾の意を示した。

 

海巡署金馬澎分署によると、船名のない中国船が金門島に近い北碇島の東方1.1カイリ(約2キロ)の禁止水域で越境操業を行っていると通報があり、海巡署の職員が対応に向かったところ、船は蛇行を始め、転覆したという。

中国船、台湾の離島周辺で越境操業 転覆し2人死亡 大陸委「遺憾」

中国の違法な漁船が台湾の海域で操業することはよくあることです。今回、この事件が中国にとって好都合だったのは、死者が2名出たことでしょう。

この事件について、「中国で対台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室(国台弁)は17日、両岸(台湾と中国)の漁業従事者は昔から金門やアモイ周辺の海域を伝統的な漁場としており、「いわゆる禁止水域や制限水域は元から存在しない」とする声明を発表していた。>

中国、金門周辺の巡回常態化発表 学者「水域進入なら深刻な挑発行為」/台湾

よそ様の陣地に侵入しておきながら、台湾と中国の陣地の境界線などもともとないんだから、誰がどこに行こうが自由だ、というのです。さらに中国は、この事件を機に、金門周辺の巡回を常態化させると発表しました。中国の巡回が常態化するということは、中間線超えなどが頻繁に起こり、偶発的な事件が勃発するリスクが高まり、金門周辺の緊張をさらに高める可能性が高い、と指摘する専門家もいます。

中国、金門周辺の巡回常態化発表 学者「水域進入なら深刻な挑発行為」/台湾

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