バイデンがボケの技術で抑えていた「ゴタゴタ」ハリスどう対応?
さて、そうは言ってもハリスには多くの課題があります。といっても、全く新しい課題ではありません。
バイデンが過去5年近く老獪な、あるいは独特のボケ味で「ごまかし」ながら奇妙な挙党態勢を維持する中で隠されてきた問題が、ハリスに代わった途端に顕在化するという問題です。
まず、大きな課題は、党内の左右対立です。
とにかく現在のアメリカ民主党というのは、穏健派と左派の連立政権になっているといって良い状態です。全く違う2つのグループが、バイデンという不思議なリーダーシップと、トランプ憎しという2つのファクターによって手を組んでいるだけと言って良いでしょう。
穏健派はグローバリストであり、グローバリズムに最適化することで、アメリカ経済を成長させようとします。中国との関係も是々非々であり、安全保障上は牽制しても経済では依然として何らかの国際分業は続けて良いとの立場です。
国策としては知的産業をより高度化するのが最優先であり、付加価値の小さな製造業については空洞化しても構わないと考えています。
福祉や格差是正については、例えば富裕層への課税については、民主党ですからある程度は積極的です。ですが、市場を冷却しかねないようなキャピタルゲインへの強めの課税には賛成しません。
一方で、左派はあくまで国内雇用重視です。
製造業の空洞化に反対するだけでなく、シリコンバレーに対してはEU的な発想法で、プライバシー侵害に抗議する立場だったりします。またウォール街への憎悪も激しく、これは「占拠デモ」以来の伝統ですが、金融機関への強めの規制を主張しています。
例えば、クリントン夫妻などはウォール街がスポンサーについていることで、左派から憎まれています。