アメリカ政治に精通されている早稲田大学の中林美恵子先生の近著(『沈みゆくアメリカ覇権』小学館文庫)によると、ハリスさんは気性の激しい女性らしい、などと書かれています。
もしかしたらもしかしたら、将来の初の女性大統領になるかもしれないのですから、興味は尽きません。
今日のハリスさんのお召し物は紺のインナーと、色は黒でしょうか、テイラードジャケット。
これまでのお写真を見ても、インナーとジャケットの色を合わせるのがお好きなようです。
そして白い大粒パールのイヤリングとネックレス。笑顔になると白い歯が光ります。
舌鋒鋭くても、その分、メイクやヘアスタイル、アクセサリーで柔らかさを出す。この点は女性リーダーの強みかもしれません。
くっきり書いた弓形の眉は、話す際にもよく動く。アイシャドウ、アイライン、そして、つけまつ毛(あるいはエクステ?)で目線がバシッと強調されます。
その目で、カメラ、相手、司会者、その3方向への目線を余裕でうまく使い分けて話してました。
~抜粋中略~
時折、ハリスさんが話しているところにペンスさんが割り込んで反論しました。
ハリスさんは「副大統領、私が話しているんですから(Mr.Vice President, I’m speaking)」と何度もペンスさんを制しました。あえてゆったり、発していました。
舌鋒鋭いハリスさんならもっと強く出られるでしょうが、感情をコントロールしていた印象でした。
あえてゆっくり話せば話すパワーをコントロールできます。
そして余ったエネルギーは、目力と手の動きに込め、カメラに向けて有権者へ訴求する。
改めて4年前のハリスさんの各種非言語表現を見てみると、「気の強さ」のようなものが強く感じられます。
ハリスさんの話し方はジェスチャーなどの動きが多くアクティブです。若さ、強さ、パワーを感じさせるデリバリーの持ち主。
一方、アクセサリーや髪型は古典的とも言える女性らしさが滲みます。
肩にかかるほどの長さの髪はソフトにカールされています。
真珠のネックレスなどもお好きなようで、それらの非言語イメージからは「柔らかさ」が感じられます。
服装などからは女性的な「柔らかさ」を感じさせ、一方、話し方においては正反対の「攻撃性」すら感じられます。
柔らかさと攻撃性、この、一瞬、かけ離れたようなイメージがあることが存在としてのインパクトになります。
この点は、副大統領となった今も、大きくは変わっていないように思います。
しかし大統領というトップリーダーの立場ならば、「強さ」があることは必須ですが、それだけでは難しいそうです。
何が必要か?
ある解説者は「ハリスさんには包容力がない」と言っていました。
トップリーダーとして清濁合わせ飲む、反対派をも取り込めるような器、そういった「人としての大きさ」のようなものが求められるのでしょう。
もしもハリスさんが大統領候補として正式に任命されたら、ぜひこの点がどのように引き出されるのか?
大統領選は非言語メッセージでの戦いでもあります。
政策はもちろんのこと、それをどう表現するか?言葉選びや話し方、そして服装などの非言語にも大いに注目したいところです。
(この記事はメルマガ『スピーチコーチ・森裕喜子の「リーダーシップを磨く言葉の教室」』2024年7月22日号の一部抜粋です。この続きをお読みになりたい方はご登録ください。初月無料です)
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