黒木華の「ギャラ不満」と「事務所退所・独立」に芸能記者が思うこと。もう「干される」時代じゃないが…相談相手は大丈夫?

2024.08.13
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この春、13年間在籍した芸能事務所を離れてフリーになった女優の黒木華さん(34)。この夏も、サントリーの第三のビール『金麦』のCM「風鈴を買った日」篇などで元気な姿を見せており、このまま芸能界から“消えてしまう”心配はなさそうです。ただその一方で、実は“円満独立”ではなかったとの報道も。芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんが詳しく解説します。

円満ではなかった。『金麦』CMでもお馴染み、黒木華「独立」のウラ

今晩から、夜通し起きていた事による“時差ボケ”うたた寝も、明け方の目覚まし設定も、無くなるわけですね…アスリートたちの真夏の祭典が終わってしまいました。

不可解な偶然や納得のいかない判定もありましたが、何よりその一瞬に賭けてきた選手たちには、勝っても負けても賞賛の拍手を送りたい気持ちです。お疲れ様でした

さて『デイリー新潮』が、今年3月末に13年間在籍した所属事務所を退所した、黒木華の近況を報じていました。

ひと昔前は、人気俳優やタレントが退所、独立ともなると大騒ぎ状態で、出演しているCM契約等にも何らかの影響が出たものですが、最近はそんな話も無く、黒木の『金麦』CMもオンエア中です。

とびきりの美人さんではないけれど、CMでは観ていてほっこりする癒し系女優ですね。

ここ数年、芸能人の退所、独立が相次いでいますが、私が印象深く思うのは、『着飾る恋には理由があって』『中学聖日記』等に出演していた夏川結衣が、17年間所属していた創業から60余年の老舗芸能プロダクションをひっそりと退所していたことです。

三浦友和や佐藤浩市が在籍する同事務所は、夏川の退所を認めた上で「私たちのマネージメント力不足が原因。満足する仕事をブッキングしてあげられなかった…」とコメントしています。

退所の報告と、理由の明記は無いまま“今後も応援していきます”程度のコメントが事務所から発表されるのが常ですが、“退所したのは私たち側の責任”とほぼほぼ認めたコメントを発表するのは極めて稀な出来事です。

『SMAP』と『新しい地図』が芸能界のタブーに風穴をあけた

芸能記者として30余年、“大手事務所を退所、独立するのは自殺行為”というのが私の感覚でした。

それはキャスティングする側が、暗黙のうちに退所した芸能人をスポイルすることが不文律になっていたからです。

それが変わったのは、やはり2016年いっぱいで解散した『SMAP』に関する動向でしょう。

解散で『新しい地図』へと所属を替えた草彅剛、稲垣吾郎、香取慎吾の3人に、キャスティング起用をしないようテレビ局に圧力をかけたとされるジャニーズ事務所に2019年、公正取引委員会が注意処分を下したことです。

これが、悩んでいた芸能人たちの“大手事務所を辞めても仕事は出来るんだ…”という意識を替えたわけです。

まぁ根深いところでまだまだ“見えない不文律”は残っているものの、以前よりはずっと積極的に、人気芸能人たちは退所、独立に前のめりになっているということでしょう。

黒木華の「相談相手」は本当に大丈夫?

さて、黒木の退所について『デイリー新潮』は、“金銭面への不満”と報じています。長い間の給料制の不満を、姉のように慕う吉田羊に相談していた…と。

『ベルリン国際映画祭』や『日本アカデミー賞』で国内外の活躍も著しい黒木ですが、仕事のクオリティとギャランティのアンバランスに悩んでいたというのです。

実はこの同じような不満は、同事務所を3年前に退所した永山瑛太からも聞かれていた話でした。

永山の退所を聞いた時、後追いする役者が出なければいいな…と思っていたのですが、3年経った今、残念な現実になってしまいました。

この記事を読みながら私の頭の中をかすめたのは、2016年に起きた吉田と『Hey! Say! JUMP』中島裕翔の“禁断の7連泊愛”が報道されたときの、ジメっとした空気感です。

ギャランティのことで先輩女優に相談するのは構わないですが、吉田から影響を受け、奔放な男性との交際まで真似しては欲しくないな…と。

吉田も、当時はまだ存在していた“不文律”と“圧力”に辛い数年間を過ごした女優ではありますが、20歳下のトップアイドルとの、勢いに任せた“7連泊”はまずかった…でしょう。

吉田も猛省したとは思いますが、何より今の中島を見れば後悔が残るでしょう。

仕事やギャランティの相談はいいとしても、こと恋愛に関しては、あまり吉田を頼りにしない方がいいような気もしますね…黒木さん!

image by : Dick Thomas Johnson from Tokyo, Japan, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons

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