自民党の本質は今も昔も党内派閥のパワーゲーム
「派閥を解消して初めて行う、国民に開かれた新しい時代の総裁選」。これが自民党「総裁選ショー」のキャッチフレーズだが、何度も言うように、騙されてはならない。もし麻生氏の思惑通り決選投票に持ち込まれたら、菅氏の無派閥グループも含む旧来の“派閥パワー”が乗り出してきて、実力者間の裏の取り引きで勝負が決まることになるだろう。
政権交代が行われず、政権にあぐらをかいている限り、たとえ一時的に「看板」が新しくなったとしても、自民党の体質じたいは変りようがない。親分子分の関係、義理人情、世襲。カネやポストをめぐる恩義や貸し借り。そういったものが、党内をおさめてゆく土台、すなわち本質のようなものであるからだ。自民党が新しく生まれ変わるというのは、記者クラブを通じて政権与党に取り込まれているメディアがつくりだした幻想にすぎない。
自民党は1989年、リクルート事件で高まった政治不信を払拭するため、「政治改革大綱」をまとめた。党改革に向けた決意がはっきりと盛り込まれていた。
≪れわれは、派閥解消を決意し、分野を特定して活動するいわゆる族議員への批判にこたえ、さらに、党運営においては、人事・財政・組織の近代化をはかり、世界をリードする政策を立案・実行できる政党への脱皮をはかる。≫
それから35年。この決意は実現しているだろうか。派閥は存続して裏金問題を起こし、またぞろ「派閥解消」のお題目を繰り返しているだけである。これでは「世界をリードする政党」など、未来永劫、夢物語でしかない。
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image by: Pollyanna1919, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons









