やりすぎた韓国ユン大統領。「非常戒厳」宣布で追い詰められた隣国の“珍しき親日政治家”の命運

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12月3日夜、民主化後の韓国で初となる「非常戒厳」を宣言するも、国会でその無効が決議されたことを受け、わずか6時間で解除したユン・ソンニョル大統領。野党は大統領の一連の動きを内乱行為だとして辞職を求めていますが、ユン氏がこれに応じない場合には弾劾の手続きに入るとの考えを示しています。なぜユン大統領はこのような悪手を打ってしまったのでしょうか。国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』で詳しく解説しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:【悲】★韓国、親日ユン大統領の大失敗

「非常戒厳」宣布で大混乱の韓国。政治生命の危機に瀕した親日ユン大統領

全世界のRPE読者の皆様、こんにちは!北野です。

皆さんご存知だと思いますが、韓国のユン・ソンニョル大統領は12月3日、「非常戒厳」を宣布しました。「NHK NEWS WEB」12月4日付。

韓国大統領が非常戒厳を宣布 国会での政治活動など禁止と発表
2024年12月4日 4時10分

韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領は3日夜、緊急の談話を発表し「国政がまひ状態にあり、非常戒厳を宣布する」と明らかにしました。

「非常戒厳」とは、どういう意味でしょうか?

これを受けて戒厳司令部が「布告令」を出し、一切の政治活動を禁じるとともにすべてのメディアは統制を受けるとしています。

「一切の政治活動を禁じる」

「メディアは統制を受ける」

穏やかではありません。では、なぜユン大統領は、「非常戒厳」を出したのでしょうか?

韓国のユン・ソンニョル大統領は3日夜遅く、来年の予算案の国会審議をめぐって緊急の談話を発表しました。

このなかで、予算案に合意しないなど野党の一連の対応を批判した上で「国政はまひ状態にある。憲政の秩序を守るために非常戒厳を宣布する」と明らかにしました。

野党が「予算案に合意しない」などによって、「国政はまひ状態にある」から、「非常戒厳」を出したそうです。

どういうことでしょうか?

2024年4月に実施された議会選挙の結果、全300議席のうち、野党「共に民主党」が175議席で過半数を確保。与党「国民の力」は、108議席にとどまりました。

日本であれば、「共に民主党」の総理大臣が誕生するでしょう。しかし、韓国は大統領制なので、そうはなりません。ユン・ソンニョルさんは大統領をつづけていますが、議会を野党に牛耳られているので、国政が「まひ状態」になってしまったのです。

それにしても、「非常戒厳」は、やりすぎでした。過半数が野党の議会は12月4日、抵抗します。

一方、4日未明、韓国の国会は非常戒厳を解除するよう要求する決議案を可決するとともに国会議長が「戒厳の宣布が無効になった」と発表し混乱が続いています。

そして、4日朝、ユン・ソンニョル大統領は、圧力に負けて「非常戒厳解除」を宣言したのです。

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