やりすぎた韓国ユン大統領。「非常戒厳」宣布で追い詰められた隣国の“珍しき親日政治家”の命運

 

ここまでブレることがなかったユン大統領の日韓友好路線

日韓関係は、複雑です。韓国側が、「慰安婦問題」「徴用工問題」などを蒸し返してくると、胃が痛くなる人もいるでしょう。私もその一人です。

そして、韓国の大統領は、人気が落ちてくると、日本たたきをして支持率回復をはかってきました。

李明博は、「日王(天皇)が韓国に来たければ謝罪せよ!」と発言し、日本国民を激怒させました。朴槿恵は、全世界に日本の悪評を拡散する「告げ口外交」で、日本を怒らせました。文在寅大統領については、書かなくても覚えておられるでしょう。

しかし、ユン大統領は、日本との友好を掲げ、ここまでブレることがありませんでした。

韓国が(日本に対し)静かだと、日本人の心も穏やかです。

そして、好き嫌いはともかく、韓国は「地政学的」に、日本にとって重要な国です。なぜ?

かつて日本は、ロシア帝国の南下政策を恐れていました。それで、緩衝地帯として朝鮮半島への関与を深めていったのです。

日本には今、大きく三つの脅威があります。すなわち中国、ロシア、北朝鮮です。いずれも核保有国で、反日国家。

今北朝鮮が、(彼らがいう)「帝国主義勢力」との戦いを決意したとします。まずターゲットになるのは、隣国韓国です。韓国がいなければ、最初のターゲットは日本になるでしょう。つまり韓国は、日本にとって立派な「緩衝国家」なのです。だから日本は、親日のユン大統領を大切にすべきでしょう。

しかし、ユン大統領は今回、大失敗しました。繰り返しますが、野党が思い通りにならないからといって「非常戒厳」はやりすぎです。

ユン大統領はこれからどうなるのでしょうか?「ブルームバーグ」12月4日付。

4日未明、韓国国会(定数300)のうち出席した190人全員が戒厳令の解除に賛成票を投じた。今回の展開で尹大統領の政治的将来は試されることになる。野党は大統領に辞任を求めた。

調査会社TSロンバードのエコノミスト、ローリー・グリーン氏は「尹大統領は弾劾に直面するだろう」とし、恐らく2025年4-6月(第2四半期)の早い時期に大統領選挙が行われ、野党の「共に民主党」が「本命視」されると指摘した。

弾劾される可能性が高いようです。

非常に珍しい韓国の親日大統領は、辞めることになるのでしょうか?注目していきましょう。

(無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』2024年12月4日号より一部抜粋)

image by: 윤석열 - Home | Facebook

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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