部下育成が「重要な評価対象」と示すこと。疲弊するまで部下をこき使う“KPIに敏感な課長たち”の意識を変える方法

 

具体的には、KPIの40%を部下育成とします。10%や20%では不足で、彼らの行動は変わりません。

  1. アクティブリスニングの実施
  2. 1on1ミーティングを隔週で実施
  3. 業績・成長目標合意書の実施
  4. 部下への業務指示・フィードバックの的確さ

それぞれ

  • S(120%達成):大変よくできた
  • A(100%達成):実施できた
  • B(90%達成):残念だった
  • C(70%達成):不十分だった
  • D(50%以下):全く不十分だった

と評価すれば、定性KPIなのに数量化でき、定量KPIと合算できます。

達成度を1つの数字で示すため、定量KPI、定性KPIを合計100%となるように重み付けをします。例えば、定量KPIが3つそれぞれ20%ずつ、定性KPIが4つそれぞれ10%ずつとします。

KPIに敏感な組織ですので、部下育成が重要な評価対象だと示せば、動きが変わります。

その上で、部下育成に対する価値観の醸成を進めていきます。

具体的には、課長4人に対して1時間ほどのワークショップを月1回、3ヶ月続けます。

  • 第1回:上司、部下、オブザーバーの3役でのロールプレイングとアクティブリスニング
  • 第2回:週次KPI進捗確認会議の進め方、課題解決のしかた
  • 第3回:部下育成のしかた、業績・成長目標合意書

毎回、詳しく説明し、ロールプレイングをしたり、A4メモやアイデアメモを書いて説明しあったり、これまでのやり方との違いを話しあったりすれば納得度が高まります。

その後もフォローを続けることで、タスク実行しか関心のなかった4人の課長に部下を育成する重要性とその具体的なやり方を伝え、見本を示し、成功体験を得ていただくことができます。

そうすれば、顕著な変化が起きると思います。ぜひやってみてください。口頭で数回指摘をする程度では人は変わりません。

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ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクター 東大工学部卒業後、コマツにてダンプトラックの開発に携わる。スタンフォード大学大学院に留学し機械工学修士、修士上級課程を修了後、マッキンゼーに入社。ソウルオフィスをゼロから立ち上げるなど、14年間活躍。その後、ブレークスルーパートナーズ株式会社を共同創業し、ベンチャー共同創業・経営支援、大企業の経営改革、経営幹部育成、新事業創出に取り組む。韓国、シンガポール、インド、ベトナムなどの企業を支援。 著書に 『ゼロ秒思考』 『速さは全てを解決する』 『瞬時に切り返す会話術』 『自己満足ではない「徹底的に聞く」技術』 など、国内26冊、海外28冊。合計131万部超。 内外での講演多数。東京大学、早稲田大学、電気通信大学、北陸先端科学技術大学院大学講師。

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