トランプの「日米安保は不公平だ」に日本が慌てる「情けない理由」わが国の保守もリベラルも、本当そういうとこだぞ

 

日本の対応(3)自国の国是と日米安保の本質を正しく理解する

というわけで、まずはスルーしつつ、時間の経過をじっくり見て行くのが正しいわけです。そうではあるのですが、この日米安保の「非対称性」「不安定性」ということを、この機会に考えてみることは重要だと思います。

日米安保は、どうして「非対称」なのかということについては、その成立の経緯に原因があります。まずアメリカ側から見ると、日米安保条約というのは、

(1)敗戦国日本が、再び立ち上がってアメリカに敵対しないように「武装解除」と「保障占領」を行う

(2)膨大な犠牲を払った第二次大戦の戦後処理だが、第一次大戦のように過酷な賠償を求めるとナチズムのような危険を生むので、カネは取らない。その代わり、「戦利品」として広大な米軍基地用地を提供させる

(3)東西冷戦の緊迫感の中で、アジアの全面共産化を阻止するための砦として、日米同盟がある

(4)米国の世界戦略の重要な部分として、西太平洋の航行の自由を絶対的に確保するために第七艦隊を横須賀に置く

という4つの目的があるのです。

日本には(1)~(4)すべてに賛成する勢力が存在しない

さて、これに対する日本の立場ですが、(1)から(4)まで全部を丸々「いいね」として大賛成する勢力というのは実はまったく存在しません。と言いますか、心の底からの親米勢力というのも、よほどのMLBファンだとか、ディズニー信者などを除けば、あとは北米市場で食っている産業の人々ぐらいです。特に政界に関しては、純粋な親米派というのは少ないです。

そんな中で、日米安保に対する日本の立場というのは基本的に2つに分裂しています。2つというより、3つと言ってもいいでしょう。「保守」「リベラル」「ノンポリ」の3つです。(次ページに続く)

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