トランプの「日米安保は不公平だ」に日本が慌てる「情けない理由」わが国の保守もリベラルも、本当そういうとこだぞ

 

日本の保守・リベラル・ノンポリ、どれもトランプを怒らせる

問題は、この3つのグループ、つまり「保守」「リベラル」「ノンポリ」の3つともが、

トランプにバレてしまうと、呆れられて切られてしまう

危険性を持っていることです。と同時に、

仮に日米が軍事外交同盟を解消した場合に、例えば日本が英仏と組んで中国との均衡を目指す

ような場合にも、この3つのグループは決してフレンドリーではないということです。さらに考え方を進めて、

仮に中国やロシアに日本が屈服して、領土割譲などの屈辱を受け入れ、辛うじて国家存続を認めてもらう

といった場合にも、この3つのような態度であれば、まったく立ちゆきません。

例えばですが、保守派の持っている前ページ(エ)のような心情は、アメリカだけでなく、英仏も、中ロも敵に回してしまう危険思想です。また、リベラルの(ク)のような心情も誰も理解してくれないでしょう。ノンポリの(ス)とか(セ)のように枯れ切った態度も、個人や家族の利害を最大化するようにアグレッシブなサバイバルゲームを戦う人々には、まるで理解されないでしょう。

では、もっと常識的な立場として、

「第二次大戦の結果としての国際連合=連合国の平和維持政策の最も積極的な支持者となり、その裏返しとして枢軸日本は批判対象とする」

「国連を中心に、自由と民主主義、人権、核不拡散の強い推進者となり、その遂行のためにはカネだけでなく、応分の犠牲を払う」

「先進国の経済水準を維持できるだけの改革を行い、生産性を確保する」

という極めて「当たり前」の政策パッケージを考えてみると、実はこのような立場というのは、日本には見当たらないのです。

保守の「アイウエオ」、リベラルの「カキクケコ」、ノンポリの「サシスセソ」の全体が、どういうわけか微妙にバランスする中で、辛うじてこの「当たり前」が成立しているという奇跡的な状況が現在の日本だとも言えるでしょう。

そしてこの3点セット、つまり「戦後秩序への忠誠」「自由と民主主義の維持」「先進国型社会の維持」というのは、どう考えても日本の国是であると思います。少なくとも、政府と皇室はこのような立場を前提に成立していますし、自衛官もこのような立場としての日本を守るために命を懸けているように思うのです。(次ページに続く)

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