中島聡が「ラピダスの大敗北」を直感する理由。TSMCになれない日本の半導体メーカーが抱える「最大の弱点」とは?

 

ベンチャースピリットの欠如がもたらす帰結

最近、国が主導する「国家プロジェクト」はことごとく失敗しています。

グローバル化により、上に書いたように、高度成長期に日本経済を牽引してきた「護送船団形式」が通用しなくなっていることが大きな理由ですが、それと同時に、ホンダやソニーのような野心にあふれたベンチャー企業が活躍しにくい土壌になっている面もあるように見えます。

「雇用の維持」を理由に、日本政府が既存のゾンビ化した大企業をさまざまな方法で守るからです。

ラピダスは、熱いビジョンを語るカリスマ性を持つ人が立ち上げたベンチャー企業とは違い、国家主導で人工的に作られた企業である点が一番の懸念です。

莫大な資金が政府により提供され、人生を賭けて死に物狂いでラピダスのビジネスを立ち上げようとしている人がいない状況で、このプロジェクトがうまくいくとは、私にはどうしても思えないのです――

(本記事は『週刊 Life is beautiful』2025年4月1日号を一部抜粋・再構成したものです。この続きはメルマガをご購読のうえお楽しみください。初月無料です ※メルマガ全体約2.5万字)

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