たつき諒氏の“予知夢”を増幅させる「2025年7月5日大災害」を唱える予言者たち

 

2. 不思議探偵社

紹介・背景

「不思議探偵社」は、2015年に設立された日本のオカルト情報サイトで、都市伝説、超常現象、予言をテーマに記事や動画を配信する匿名運営のメディアだ。

運営者の正体は不明だが、編集部は「真実を追求する探偵集団」を自称し、月間100万PVを誇る(2025年4月時点)。たつき諒氏の『私が見た未来』を2019年から取り上げ、2021年の『完全版』発売を機に「2025年7月大災害」を特集。以降、関連コンテンツを量産し、YouTubeチャンネル(登録者数約50万人)でも積極的に発信している。2025年終末論ブームでは、たつき氏の予言を軸に据えた情報ハブとして機能している。

過去の実績解析

不思議探偵社は予言者ではなく、既存の予言や怪奇現象を収集・拡散するプラットフォームであるため、直接的な的中実績はない。その代わり、他者の予言の検証を試み、的中例を強調する傾向がある。たつき氏の場合、東日本大震災の予言的中を「驚異の的中率」と称賛しつつ、外れたとみられる「富士山噴火予言」には触れず、読者の印象操作が指摘される。

また、ノストラダムスの「1999年の恐怖の大王」やババ・ヴァンガの「2016年の欧州崩壊」など、過去の著名な予言も取り上げたが、いずれも外れた事実を軽視し、「解釈次第で当たっている」と主張するケースが多い。

2021年には、たつき氏のなりすまし騒動(偽者が「2021年8月に富士山噴火」と発信)をいち早く報じ、本物のたつき氏への独占インタビューを掲載。彼女の「夢日記の信憑性」を補強する役割を果たしたことは評価されてもよい。

しかし、当のインタビューでは検証可能な証拠を詰める姿勢に乏しく、主観的な証言に依存してしまっていた。アクセス解析ツールによる推定では、2024年のサイト訪問者の約60%が「たつき諒」関連記事を閲覧しており、彼女の予言がトラフィックの主要な原動力となっている。批評家からは、「センセーショナリズムでPVを稼ぐ商業主義」と非難される一方、オカルトファンの間では「貴重な情報源」として支持されている。

2025年ブームへの寄与

不思議探偵社は、たつき氏の予言を「2025年7月5日が人類のXデー」と銘打った特集記事を連載し、YouTubeでは関連動画を週2回ペースで公開。2024年10月公開の「たつき諒の予言が現実に近づいている証拠」動画は500万回再生を記録し、コメント欄には「食料備蓄を始めた」「家族で避難計画を立てる」といった具体的な反応が並ぶ。たつき氏の個人的な夢を、大衆向けに編集・拡散する役割を担い、終末論ブームの基盤を広げている。科学的検証よりもエンターテインメント性を優先する姿勢は明らかだが、その影響力は看過できない。

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