たつき諒氏の“予知夢”を増幅させる「2025年7月5日大災害」を唱える予言者たち

 

3. アビギャ・アナンド(Abhigya Anand)

紹介・背景

2006年、インド・カルナータカ州生まれのアビギャ・アナンドは、ヴェーダ占星術を専門とする若手占星術師として注目を集めている。2019年ごろからYouTubeやInstagramなどSNS上で活動を開始し、独特の語り口と伝統的な占星術に基づく予言で一部の若者層から支持を得ている。

2025年については、「人類の転換期が訪れ、日本を含む世界各地で自然災害や経済混乱が発生する」と予告。時期については「2025年6月から9月」と幅を持たせつつ、たつき氏の予言と重なる点を強調している。彼のTikTokフォロワー数は300万人(2025年4月時点)に達し、日本でも「次世代の預言者」として話題になっている。

過去の実績解析

アビギャ・アナンドが大きな注目を浴びたのは、2019年8月の動画で「2020年に世界的な疫病が発生する」と具体的な日付を複数示して、実際に予言を的中させたことだ。これは2020年3月以降の新型コロナウイルスの世界的流行と重なり、「予言的中」と拡散された。

また2021年には「東欧での緊張が高まり戦争が起きる」と予言し、2022年2月に始まったロシア・ウクライナ戦争と結びつけられた。ただし、この予言は具体的な場所や時期を明示しておらず、「星の配置により導き出された」とするアプローチには曖昧さが残る。たとえば、コロナに関する予言は「土星と冥王星のコンジャンクション」を根拠としたが、占星術の専門家の中には「一般的な解釈にすぎない」と疑問視する声もある。

一方で予言が外れたケースも多く、たとえば2023年に「アメリカ西海岸で大地震が発生する」と主張したが現実には起きなかった。また2024年には「インドの政治が崩壊する」との予言も外れたとされ、公開された50件以上の予言のうち的中率は約30%程度と推定されている。懐疑派からは「SNSによるブランディングに過ぎない」との批判もありつつ、それでも30%の的中率は決して無視できるものではなく、若者を中心としたデジタルネイティブ世代への訴求力は強い。

2025年ブームへの寄与

アビギャ・アナンドは、たつき氏の予言を直接引用することはないが、「2025年が地球規模の変化の年となる」との見解が共鳴し、日本のTikTok上で「#Anand2025」タグが拡散された。2024年11月の動画では「日本の島々が試練に直面する」と警告し、再生数は1000万回を超えている。コメント欄では「たつきさんの夢とリンクしている」「若者にもわかりやすい予言」といった声が見られ、終末論ブームの裾野を広げている。
アビギャの現代的で視覚的なアプローチは、たつき氏の古典的な予知夢と対照的でありながらも補完的に作用し、ブームの多様性を象徴する存在となっている。

4. やりすぎ都市伝説(テレビ東京)ーーー(『上杉隆の「ニッポンの問題点」』2025年4月5日号 【特別連載(2)】2025年7月巨大複合災害:終末論に並走する共鳴者たち【上杉隆とAIが徹底検証】より一部抜粋。この特別連載の続きおよび三回目以降をお読みになりたい方は、ご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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【関連】2025年7月5日4時18分。東日本大震災を予言した漫画家の著作『私が見た未来 完全版』に書かれていること

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