一極主義の政策とネオコンを排除したトランプ
トランプ政権になってから一極主義の米国覇権の政策は排除され、それを推進してきたネオコンの勢力も弱体化している。一極主義に代わってトランプは、米中ロの地域覇権国が相互の勢力圏を容認する、力の均衡による新しい国際秩序を構築する方向に動いている。
この過程ではサックス教授の提示する「ナラティブ」こそが真実だと認められ、現実の認識は根本的に変化するはずだ。
そして、そうした中、アメリカでも大変に注目されるようになっているのが、プーチンのブレーンとも目されているロシア保守派の思想家、アレクサンドル・ドゥーギンである。
このドゥーギンの提示する「ナラティブ」もまた説得性のあるものとして、アメリカでも広く受け入れられるようになってきた。最近のドゥーギンの記事から引用する。
名目上ではなく実質的な主権を有し、何らかの形で米国と競合できる他の大国の競合になっている。これらは、何らかの形で競い合える国々である。つまり、二極の冷戦世界でもなく、単極の新保守主義の世界でもなく、リベラルなグローバリストの非極世界でもない。トランプ主義は、3極または4極の世界を想定しており、そのパワーバランスが未来の世界秩序の構造を決定する。そのためには、ほぼすべての国際機関を再設立し、過去の時代の幻影の残骸ではなく、現実を反映したものとなるよう、ほぼすべての国際機関を再構築する必要がある。
このような認識の「ナラティブ」に基づく新たな世界秩序が、トランプ政権とともに出現しつつある。そのとき、「自由と民主主義」という価値観を全面に出した「ナラティブ」にいまだに固執している主要メディアはどう対応するのだろうか?見物である――(この記事は、『未来を見る! 「ヤスの備忘録」連動メルマガ』2025年3月28日号を一部抜粋・再構成したものです。最新号はメルマガ登録の上お楽しみください。初月無料です)
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