石破さん、あまりにも無責任でしたね。呆れる他ない「突然の辞任」でますます加速する日本の衰退スピード

 

7日夜の毎日新聞ネット版は「参院選で与党が大敗してから約50日。石破茂首相(自民党総裁)の進退を巡る混乱がようやく決着した」と書いたが、これは明らかに反石破の守旧派の立場に立った表現で、石破がすぐに辞めないで50日もジタバタしたことが「混乱」であったので、彼が辞めたのでそれが「収まってよかった」というニュアンスである。

こういう表現1つにも意図された世論操作が含まれていることに読者は注意しなければならないが、ならばこの記者に問おう。石破だけがこの局面で自民党を抜本的に改革しうる総理となるかもしれないという期待を背にここまで上り詰めた石破が、課題をやりきれずに中途半端に投げ出してしまって、その後に来るのは今まで以上の「混乱」ではないのか?

たとえば高市早苗のような時代錯誤の右翼が間違って総理になる可能性が少しでも出てきて、自民党がますますどこかおかしな方向に流れていくかもしれないというのは、国民から見れば、より本質的な「大混乱」ではないのか?

しかも、これから起きるいよいよ断末魔の自民党大混乱にもかかわらず、取っ代わろうとする野党は存在しない。これによる政治の不在の深刻さの中で、日本の衰退が加速することになる。まあ本当に、石破さん、あまりにも無責任でしたね。呆れました。

(メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2025年9月8号より一部抜粋・文中敬称略。ご興味をお持ちの方はご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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早稲田大学文学部卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。現在は半農半ジャーナリストとしてとして活動中。メルマガを読めば日本の置かれている立場が一目瞭然、今なすべきことが見えてくる。

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