トランプの「石器時代に戻す」という言葉が突きつける“戦争の記憶”と“日本の責任”

 

文明を破壊するこの発言に、日本が声を上げるべきだと言いながら、現在の暴虐無人のトランプ大統領に意見をするのは、国益のために差し控えたいとの判断が優先される雰囲気もわからないでもない。

停戦を説得するなら「一定の信頼関係がある」とされるイランからという選択も現実的なのだろう。

しかし「石器時代」に目をつむったままでよいのだろうか。

思えば、戦後教育の中で私たちは戦争の悲惨さを学んできた。

私の世代は親や親せきから戦争の体験を聞くこともできた。

私も叔父は外地で戦死し、その悲しみを背負った滝に打たれた祖母の様子を目の当たりにした。

空襲の様子を叔母から聞き、別の叔父からはフィリピンでの戦闘を負傷した膝の傷を見せながら語った。

これらの経験は平和に向けたメンタリティを強靭にしながら、多くの世界の人との対話を促した。

最近訪れたボスニア・ヘルツェゴビナでも、内戦で殺し合ったそれぞれの民族と方々と話をしながら、それぞれが平和でいたいと確認できたのも、私たちが平和であるべきことを学んでいたから、であり、それが国家や民族を超えて共有できたのである。

このまま米国は戦争を続け、そしてイランを石器時代に戻したら、米国人は世界の人たちと友達でいられ続けるだろうか。

平和への感覚がずれたまま、世界との関係はぎくしゃくしたものとなる。

だから、私たちが学んできた平和への思いを発揮する機会は今ではないだろうか。

懇願型でかっこ悪くても構わない。

「お願いだから、石器時代に戻さないでくれ」と友として声にできたらよいのに。

そのひとことを言うために、これまで仲良くしてきたのに、とも思うのだが。

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image by: Maxim Elramsisy / Shutterstock.com

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障がいがある方でも学べる環境を提供する「みんなの大学校」学長として、ケアとメディアの融合を考える「ケアメディア」の理論と実践を目指す研究者としての視点で、ジャーナリスティックに社会の現象を考察します。

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