ロシア、中国、イラン、イスラエルは何を恐れているのか
それは、海上圧力の増大による海上封鎖と台湾とその仲間たち(日本を含む)に対する経済的な圧迫の強化、そして情報戦・サイバー攻撃を段階的に行う戦略のことを指しますが、中国は最近、これらを非常に巧妙に組み合わせて攻撃力を高めています。
しかし、懸念すべきは、台湾のみならず、日本や韓国、そして米国に“戦争開始”を明確に認識させないように、その戦略が実行されていることです。
戦略論では、これを“threshold ambiguity(境界・閾値の曖昧さ)”と呼びます。反応を誘発するレッドラインを曖昧にしてしまうことで、相手が“どこから反撃すべきか”判断できなくなる状態を指します。
そして中国は今、ロシア・ウクライナ戦争と中東危機を徹底的に観察し、特に【制裁への耐性】、【エネルギー資源および生活物資の確保の仕方】、【ドローン戦の効果(攻撃・防衛両方)】、【海上封鎖や情報統制に対する対抗策】などを綿密に研究し、作戦を立てていると推測できます。
中国の一連の動きを見るにあたり、極めて重要なことは、【台湾有事は、第二次世界大戦型の上陸戦ではなく、“経済窒息戦”として始まる可能性が高い】と考えられることです。
ここまで見ていただくと分かる通り、現在の世界は個別の危機の集まりではなく、それぞれが絡み合い相互に影響を増幅させている【複合的な危機】です。
そこに共通しているのは、【国際協調の基盤となっていた“相互信頼の崩壊”】です。
各国は、【相手を信用していない】、【国連などの国際機関も信用していない】、【国際安全保障というコンセプトを信用していない】、そして【国際協調に基づく世界経済秩序を信用していない】という認識に立ち、その結果、【自国・自国民のことは自分で守るしかない】という方向へ向かっています。
これが、【軍拡】、【封鎖の連発】、【先制攻撃論の是非についての議論の再燃】、そして【核軍縮から核抑止依存の高まり】につながり、今、世界は、【国際協調に基づく安定の追求】から、【恐怖による安全保障(力による支配・力による外交)】へと移行している基盤になっています。
では私が中東危機、ロシア・ウクライナ戦争、中国・台湾問題を含む包括的安全保障調停を依頼されたなら、どうするか?
もうすでに今回のコラムは非常に長くなっていますが、どうぞもう少しお付き合いください。
私は次の6段階で進めます。
第1段階では【相手を変えようとするのをやめる】ことを提唱します。
多くの外交は、突き詰めると【相手を屈服させる前提】で動いています。しかし、私が行う紛争調停の原則はその逆で、【相手の恐怖を理解すること】から始めます。
例えば、【ロシアにはNATO拡大への恐怖】、【中国には対中包囲網への恐怖】、【イランには体制崩壊への恐怖】、【イスラエルには国家と民族の生存の存続への恐怖】があります。
まず必要なのは、【相手の恐怖を認識すること】です。これを理解しない限り、交渉は先に進みません。
第2段階では【イスラエル・イラン間の“直接戦争回避ライン”を作る】ことを提唱します――(メルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』2026年5月29日号より一部抜粋。全文をお読みになりたい方は初月無料のお試し購読をご登録下さい)
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