AI・ロボティクス時代にニッポンは大復活できる。日本経済 「第2発展期」の展望を読み解く

 

明治維新と近似の条件

いつの時代でも、若者の意識変化は社会を動かす前兆である。明治維新を振り返っても、若者が時代を先取りした。あえて、明治維新と現代日本を比較すると、似通った条件がいくつかある。

明治維新の本質は、危機感の噴出である。長い鎖国が、日本の「惰眠」をもたらした危機感が主因である。具体的には、外圧(黒船)である。これが、国家存立の危機感へつながり、開国による産業化(工業化)への道を開いた。

現代の危機構造を突破させるものは何か。やはり、外圧(AI・半導体の世界競争)である。若者は、AI(人工知能)とロボティクス(精密機械・電気・情報の組み合わせ)の到来に敏感である。日本は、国策半導体企業ラピダスによって、世界最先端の分散型フィジカルAIチップの製造に成功し、27年から量産体制に移る。若者は、こういう大きな技術革新の波が、日本で起っていることをおぼろげながらも感じ始めている。だから、自己成長の必要性を強く感じ始めているのだ。

日本経済は今、黎明期を迎えている。過去の超長期停滞が、いかに「異常」であったか。それが、バブル経済の後遺症であったことを再認識させる。日本経済の超長期停滞は、名目GDP500兆円時代の期間が、常識外れに長かったことで証明できる。実に、1991~2022(32年間)も続いたことは、江戸時代末期と同様に超長期の経済停滞を立証するものであろう。

ちなみに、名目GDP300兆円時代は5年間、400兆円時代は3年間(バブル期)であった。これと比べて分かるよう、500兆円時代の32年間は、日本社会から成長意識を奪い、成長感覚を麻痺させたことは言うまでもない。今、その麻痺感覚が若者の成長意識によって、異常と認識され始めている。「個人の成長」という認識の全面化は、過去のような社員の「企業奉公」と全く異なるものになる。

企業は今後、社員を繋ぎ止めることが重要になるであろう。形式的には、企業が新入社員を選ぶ。だがその前に、個人が企業を選んだので応募したもので、主体はあくまでも個人にある。この因果関係をたどると、労働力不足を背景にして、終身雇用制は空洞化する。企業は、これにどう対応するか。設備投資をして生産性を引上げ、賃金ファンドを確保して、企業間競争に打ち勝つことだ。これが、企業生残り主要な手段となろう。

こうした、企業の生残り戦術は、名目GDP成長率を引上げる。IMF(国際通貨基金)予測によれば、現在の名目GDP600兆円時代は、2023~26年(4年間)。700兆円時代が、2027~31年(5年間)と日本経済の正常化を予測している。日本が、正常な成長感覚を取戻したことは疑いない。時代は今、大きく変ろうとしている。

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