AI・ロボティクス時代にニッポンは大復活できる。日本経済 「第2発展期」の展望を読み解く

 

日本だけ唯一可能分野

分散型フィジカルAIは、ラピダス技術によってすでに証明されている。精密工業については、改めて説明するまでもないほど、日本の「十八番」技術である。世界を見渡すと、AI技術と精密工業の両者を揃えている国は他に存在しないのだ。
1)米国は、AIに強いが精密工業で弱い。
2)中国は、精密工業は存在するがAIで脆弱。
3)欧州は、精密工業は強いがAIで弱い。
4)韓国は、メモリ半導体で強いが、ロジック半導体とロボティクスで弱い。

主要国は、いずれか片一方が優れている状態であり、両者を兼ね備えるのは日本だけという独壇場である。 日本は、AIとロボティクスの「完全体系」を備える唯一の国と言って差し支えない状態にある。

AIとロボティクスの完全体は、「人型ロボット」である。この人型ロボットは、100%日本技術で完成する。理想型人型ロボットは、現場の情報に応じて即時に反応しなければならない。日本で最初に、このメリットを受けるのは、中小企業など労働力不足に悩む現場である。特に、中小製造業・運輸・介護への本格導入が、日本の潜在成長率を押し上げることは確実である。次に、その概要をみておきたい。

1)中小製造業は、日本の製造業の約7割を占める。人手不足で設備稼働率が上がらないので、自動化投資が遅れている分野だ。ここへ 人型ロボットが導入されれば、最も効果を発揮するはずだ。人型ロボットは、既存の工場設備・作業動線を変えずに導入できるため、 従来の産業ロボットより「投資回収が早い」という利点がある。

2)運輸(物流)は、トラックドライバー不足が、2024年時点で約36万人にも上がっている。物流の停滞は、日本経済の「血流」の低下に繋がる。人型ロボットが、重労働である荷役・仕分け・倉庫作業を代替すると、 物流のボトルネックが大幅に緩和される。

3)介護は、介護職の不足が2030年に約32万人と推計されている。高齢化で需要は増える一方である。人型ロボットは「身体介助」「移乗」「見守り」を代替する。同時に、家族を介護すべく離職する介護離職減少と労働参加率の上昇という効果につながる。

以上のような3業種で人型ロボットを導入するだけで、潜在成長率がどれだけ引上げられるのか。潜在成長率は、労働投入量・資本ストック(設備投資)・TFP(全要素生産性)の3点で決まる。人型ロボットは、この3つのすべてにおいて、効果を押し上げる希有の存在であり、まさに「三刀流」である。

こうして潜在成長率は、年間0.3~1.0%程度の押し上げが現実的な試算である。これは、日本経済にとって「革命的」な数字になる。現在の潜在成長率は、0.5%前後である。これが、導入後に1.0~1.5%へ引上げられるからだ。日本経済は、「様変わり」となることは間違いない。潜在成長率が1%を超えると、 名目GDP率は年3~4%成長が常態になる。日本は、明らかに「第二の明治維新」を視野に入るであろう。

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