ラピダスTSMC接近
ラピダスは、TSMC半導体へ真っ正面から対抗する形になった。これまでラピダスは、先行企業との競争はないと明言してきた。最近は、コスト競争で大きな自信を深めている結果、攻めの姿勢へ転じた。ラピダスの小池淳義社長は7月8日、半導体受託生産の価格をTSMCと同等か、それ以下に抑える方針を示した。競争力ある価格設定で、TSMCの顧客奪取を目指すという意欲的経営姿勢へ転換した。
量産規模で劣るラピダスが、TSMC並みかそれ以下の価格を設定できるのは、TSMCを上回る高い歩留まり率の実現見通がついたことだ。半導体コストは、歩留まり率が勝負である。ラピダスが、最初からTSMCへ挑戦できるのは、歩留まり率がTSMCよりはるかに高いからだろう。
ラピダスは、世界半導体で初めて「前工程・後工程」を全自動化で結合することに成功した。それだけではない。1枚ずつ生産するウェハー単位制御にも成功した。ロット単位ではなく、ウェハー1枚ごとに条件の最適化・フィードバックが可能になった。これで、不良品が出ても「次の1枚」で補正が効くため、歩留まり率は上がる。もう一点強調したいのは、ラピダスが「新興企業」でない点だ。日本半導体が世界一時代のNEC、東芝、日立、富士通、三菱電機などの人材による「再起動」である。成功の下地は十分にあった。
ラピダスが、技術面とコスト面で突き抜けた競争力を備えていることを確認した上で、今後の日本経済が取組むべき課題は、労働力不足解決策として、「AI・ロボティクスの技術」であることは明白である。これは、「AI技術と精密工業」で成り立つものだ。この両者を揃えている国は、世界で日本しか存在しないことに気付かれるであろう。
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