■アメリカとイラン間で「威嚇合戦」が再開されているという現状
水面下ではオマーンが米イラン間の板挟みになっているとの情報も伝わっています。
8月17日、トランプ大統領は米FOXニュースの取材に対し、ホルムズ海峡の開放を巡って「沿岸国オマーンが邪魔をするなら徹底的に爆撃する」と語ったと伝えられました。イランとホルムズ海峡の管理について協議を続けるオマーンに対し、米国に都合の悪い合意を結べば攻撃も辞さないと圧力をかけている構図が透けて見えます。
8月5日、イランはホルムズ海峡に新たな航路案で合意したと発表しました。しかしオマーン側は目立った発言を控えており、実態がどうなっているのかは不透明なままです。海峡の管理権を求めるイランと、イランに加担しないよう要求する米国との「板挟み」になっているとの見方が強まっています。
英紙フィナンシャル・タイムズは8月17日、イランが共同声明案の文言を修正し、海峡の管理権をさらに強化しようとしていると報じました。同紙によれば、イラン側の強硬な要求により、オマーンとの交渉はこの一週間「停滞している」とのことです。
イランがこだわっているのは、ホルムズ海峡の通航を巡る「サービス料」の名目、つまり事実上の通航料を徴収する仕組みです。これは6月17日にイランが米国と交わした覚書の中で、「海峡における将来の管理や海上サービスについてオマーンと協議する」との文言を盛り込むことに成功していたことが発端だと考えられます。
協議ではペルシャ湾に向かう船舶をイラン側が管理し、ペルシャ湾を出る船舶はオマーン側が通航を扱う案が話し合われてきましたが、イランはペルシャ湾を出る船舶の管理にまで関与させるようオマーンに求めているとの情報もあります。
オマーンはあくまで国際法を遵守する立場を貫いており、7月14日の声明でも「国際法を完全に遵守する」ことを強調し、航行の回復に向けた「中立的な協力」を続けると表明していました。
しかし8月17日、覚書に定められた60日間の交渉期限が切れました。延長についての合意もなく、米イラン間の協議は最終合意に至らないまま、いったん期限を迎えたことになります。
イランは攻撃姿勢を強める方針だと報じられ、米兵を捕虜にした国民への報奨金支払いにまで言及する事態になっています。
ロイター通信によれば、エルドアン大統領はトランプ大統領と電話会談を行い、イランとの協議継続を求めましたが、トランプ大統領は8月17日、ホワイトハウスで記者団に「彼らは私が必要だと思うような合意を結ぶ気がない」と語り、覚書延長を求めない考えを示しました。
イラン外務省のバガイ報道官も同日、「米国が著しい違反行為を行ったため、覚書は完全に無意味となった」と米国を非難し、攻撃姿勢を強める方針を打ち出しています。
イラン国会のガリバフ議長は8月18日、「米国が約束を履行するまでホルムズ海峡は再開されない」と議会で述べました。「敵対行為や侵略に対して大きな打撃を与える用意がある」とした上で、「軍事行動が再び必要となるときが来た」とまで強調しています。
イラン軍のアミール・ハタミ司令官は8月16日の演説で、米兵を殺害または拘束すれば3万ドル相当の報奨金を出すと明らかにしました。女性が実行した場合には報奨金が2倍になるとのことです。
まさに米イラン間で威嚇合戦が再開されているのが現状で、緊張状態が緩和される見通しが立たないのが実情です。
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