プーチンが持ちかけた三者会談にトランプと習近平は乗るか?国際交渉人が危惧する“席のない国”の頭越しで決められる新秩序の中身

 

2.見えない手綱-スターシールドと「目と耳」

【2-1.曇った「目」】

ウクライナのベスクレストノフ大統領顧問によれば、10月13日から14日にかけて、移動中の端末の通信に時速約160キロの速度の制限がかかり、それより速く飛ぶドローンやミサイルとの接続が途切れたとのことです。同氏は当初、スペースXが民生用のスターリンクの端末に制限をかけたと書きましたが、その後ウクライナ側は、制限がかかったのは軍用のスターシールドだと説明しています。

ウクライナ側によれば、速度制限により、一部の部隊はドローンの任務を取りやめざるを得なかったと伝えられています。ゼレンスキー大統領は、迎撃用のドローンが時速約70キロに抑えられた時間帯があり、ジェットエンジンを積んだシャヘド型のドローンを迎え撃てなかったとも述べていますが、これはウクライナ側の説明で、独立した確認はありません。

では、誰が手綱を引いたのでしょうか。ここで、説明が分かれます。

スペースXを率いるマスク氏は、スターシールドは米国政府が所有して管理しており、速度や利用の制限を決めるのは米軍、最終的には大統領だと書き込みました。ロイター通信は15日、米国の当局者2人と西側の当局者1人の話として、制限の指示はホワイトハウスの内部から出たと報じ、米政府の高官は、トランプ大統領自身が求めたことは否定しました。

英テレグラフ紙は16日、4人の情報源の話として、マスク氏がトランプ大統領に速度の制限を提案し、大統領が「同意した」と報じています。ただし、これは一紙の報道で、確認された事実ではありません。

トランプ大統領は16日、制限は自分の責任でもマスク氏の責任でもないと思うと述べています。ルビオ国務長官は17日、記者団に、スターリンクは「商用の製品」でスターシールドは「軍用の製品」であり、ウクライナは今の時点でスターシールドを使える立場にないと述べました。

ロシアの奥深くを攻撃するための利用の要請は「協議中」で、ホワイトハウスで誰も速度を落とせと命じていない、ゼレンスキー大統領の主張は「断じて誤りだ」とも語っています。

ウクライナの説明では、使っていたのはスターシールドです。米国の国務長官の説明では、ウクライナはスターシールドを使っていません。同じ一本の通信回線について、当事者の説明がここまで食い違うこと自体が、今の米国とウクライナの関係を物語っているのではないでしょうか。

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