トランプ「イランは選挙を待っているのかも」発言の皮肉。敵に“時間を稼ぐ”という選択を容易にさせた米国大統領の失態

 

【1-4.ヘブロンの検問所と「1967年以来」の作戦】

選挙の4日前の23日、ヨルダン川西岸の南部ヘブロンの近くの検問所で、銃撃事件が起きました。拳銃と自動小銃を持ったパレスチナ人の男2人が発砲し、イスラエル軍が2人を射殺しました。米アル・モニターやAP通信によれば、この銃撃でイスラエル兵2人も命を落としています。負傷者の数は、初期の報道の3人から後の報道の5人まで、伝える時点によって差があります。

ネタニヤフ首相は、ハマスが民間人を狙った大規模な攻撃を計画していたと非難し、ヘブロンを封鎖し、西岸の全域を閉ざす準備を軍に命じました。さらに、カッツ国防相とともに、1967年の第3次中東戦争以来の規模となる大がかりな作戦を検討していると述べています。

その第一歩として、襲撃した者の出身の地区に部隊を入れ、住民を退避させたうえで一軒ずつ捜索するとしました。選挙の直前に指導者が「1967年以来の規模の作戦」を口にするのは、アイゼンコット氏の言う「包囲の心理」を、そのまま形にしたような場面です。

前号で私は、西岸のタイベで欧州の外交官の一行が入植者に襲われた事件をお伝えしました。西岸では、入植者による暴力と、パレスチナ人による攻撃と、軍の作戦が、互いを理由にして連鎖しています。

この連鎖を断つ鍵の一つは、アイゼンコット氏が掲げる「違法な前哨地の撤去」と「過激な入植者の取り締まり」ですが、それを実行できる政権が生まれるかどうかは、先ほどの議席の算術の中で決まります。

この記事の著者・島田久仁彦さんの新創刊メルマガ

初月無料で読む

print

  • トランプ「イランは選挙を待っているのかも」発言の皮肉。敵に“時間を稼ぐ”という選択を容易にさせた米国大統領の失態
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け