先日掲載の「DX推進を決めた経営者が実践すべき、日報よりも効果的な「ハイパーアウェアネス(察知力)」活用法」では「経営改革」を進める上で重要な「7つの鍵」について詳しく解説するとともに、その各々についての解錠のヒントをレクチャーした、ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクターの赤羽雄二さん。アメリカに本社を置く世界的なコンサルティング企業マッキンゼーで14年間もの勤務経験を持つ赤羽さんは、自身のメルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』で今回、世界各国で進むDX(デジタルトランスフォーメーション)化について、これから日本企業がどう取り組みべきかを簡潔に分かりやすく解説しています。
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※本記事は有料メルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』2021年7月26日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。
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赤羽雄二の視点:今話題のDX(デジタルトランスフォーメーション)とは何か、何を知っておくべきか その3
先週は、経営改革を進めるには7つの鍵を同時に開けることと、その7つの鍵がどういうものか、ご説明しました。また、GAFAとひとくくりしますが、実際は、GFとAとAに分けているべき、というお話もした上で、DXの例としての「ハイパーアウェアネス」(顧客に最も近い場所にいる従業員全員を「人間センサー」として情報を得る)についてもご説明しました。
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今週は、日本企業がどう取り組んでいくべきか考え、3回シリーズの最後としたいと思います。
30年出遅れた日本と日本企業は何をねらい、何を期待すべきか
日本企業の事業構造改革とIT活用は、致命的に遅れたと言わざるを得ません。
世界の先進企業の時価総額が150~230兆円になり、日本のトップがトヨタ自動車で28兆円という状況では、まともに戦える段階はとっくに過ぎたと思うしかありません。欧米のみならず、中国、韓国、インドの先進企業も、日本企業よりDX化が進んでいます。
今、日本と日本企業ができることは、
- 製造業においては徹底的な事業構造改革とIT活用により、時価総額10~20兆円で市場ポジションを何とか死守する。M&Aを成功させる経営力を何としても獲得し、より大きな市場ポジションを取る。時価総額が高くないと、買収され、ばらばらにされる
- 非製造業においては、今後10年、IT活用に全力投球し、GAFAなどの脅威と何とか戦って、日本およびアジアの一部での市場ポジションを死守する。時価総額10~20兆円がいいところ。M&A、ベンチャー投資を成功させる経営力を獲得し、何とか合従連衡を進める。時価総額が高くないと、買収され、ばらばらにされる
- 新規ベンチャーに関しては、今の10~100倍起業されるよう、国、民間の資源を傾斜配分する。大企業からのスピンアウト、転職、創業を大幅に後押しする。
- 留学に関しては、今の10~100倍、海外留学を拡大する(5~10年後に結果が出る)
日本の製造業のDXは、どこからどう始めるべきか
事業構造改革を進めるステップとして、まず、何で儲けるのか、経営者主導で事業ビジョンを書き換える必要があります。それに基づき、経営者主導で5年以上、事業構造改革を進め、付加価値の高い事業に組み替え続けます。
さらに、経営者主導で、PDCAを高速に回し続け、不断の改善をする企業に生まれ変わります。
並行して、経営者主導で、ITを徹底活用し、生産性を上げ続けます。
加えて、経営者主導で、必要な人材を採用し、上司を鍛え直し、滞留人材を再活性化します。
つまり、「経営者主導」が不可欠で、経営者が主導しない会社、経営者が5~10年継続して取り組めない会社の将来は厳しいと考えるべきです。
最後に、経営者主導であっても、決定的な答えはもうないので、おおよそのビジョンを設定したら、後は走りながら考え、修正するしかないです。GAFAも2000年頃は迷走していました。倒産を何とか免れ、その後の必死の努力で今があります。
GAFAをうまく活用すればチャンスが、という声もありますが、もしできても利益の大半を持っていかれ、実際は食われるだけだと考えられます。したがって、大変無責任な意見だと思います。
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