10月4日、自民党総裁選で高市早苗氏が勝利しました。今後、高市政権になった場合では、今後の衆院選で自民党はどれほど議員数に影響が出るのでしょうか。メルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~』著者で京都大学大学院教授の藤井聡氏は、自身のメルマガで衝撃の選挙シミュレーションを公表。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:【衝撃の選挙シミュレーション】自民・衆議院の現有191の議席数は今の支持率なら143議席にまで減少。しかし高市総裁なら175議席に回復。しかし小泉・林総裁なら126議席以下までさらに激減する。
「高市総裁なら175議席に回復」データの衝撃
総裁選もいよいよ佳境です。
この選挙は、ご案内の通り「党員票」と「議員票」がありますが、昨年は、この党員票で高市早苗氏がトップを取っていたにも関わらず、二次投票では岸田氏の、何の義も無い「高市以外にいれろ」という党利党略的「号令」によって、議員票で全く人気の無かった石破茂に大量の議員票が集まり、総裁となりました。
多くの自民党員はもちろんのこと、全国国民もまた、この石破総裁誕生を促した岸田氏を中心とした「党利党略・私利私欲」丸出しの自民国会議員団の振る舞いを民意に対する「裏切り」と捉えました。結果、岸田内閣下で、それまで40%前後を推移していた自民党の支持率が、30%を割り込むまでに下落しました。
つまりこの「裏切り」後に、自民党は、3~4割もの支持を失ったのです(この数字は、筆者の世論調査とピタリと符合します:https://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/member/fujii/journal)。
実際、当方の調査では、過去6年の内一度でも自民に投票したことのある方々の内、先の参院選挙で国民民主/参政党/日本保守党といった「保守野党」に投票した人々…つまり、「もともと自民支持者だったけど今は保守野党を支持している人々」の内、実に16%も人々が自民支持を辞めた理由として「高市氏が総裁選で敗れた事」をあげたのです。(https://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/member/fujii/journal の「分析5」参照)
彼らは、「わたし達は高市を選んだのに、国会議員達はそんな私達の気持ちを踏みにじられた」と感じたわけであり、岸田・森山・木原といった自民党幹部に「裏切られた」とばかりに自民支持を辞めてしまったのです。
そうである以上、未だに自民支持を続けている人でも、もう一度同じ事が繰り返されれば、「自民党の議員達め…一度ならず、二度までも、私達の思いを踏みにじりやがって…」と、その怒りはさらに燃え上がることは必至です。
私達は一般に、同じ人間に一度ならず二度までも「裏切られた」場合、完全に愛想が尽きて「三行半」を突きつけるものです。一度だけなら過ちかもしれない、しかし二度あるということは「コイツは完璧な裏切り者だ」ということになるからです。
だから、今度、国会議員連中がまた同じ事を繰り返せば、つまり、高市氏が党員票トップとなったにも関わらず、「議員票の数合わせ」で再び高市氏が総裁になれなかったとすれば、党員・国民の怒りは半端ない水準に達することは確実なのです。
そうなると、3割にまで落ち込んだ自民党支持率は今度は2割を割り込むほどまでに落ち込むでしょう。
折りしも、筆者の行った全国世論調査では、進次郎や林氏が推進すること必至の「増税・媚中・国民軽視」路線が続けば、自民党の支持は一気に下落していくことは間違い無い一方、高市であれば党勢回復は確実である、ということが厳密な統計学的分析を通して「実証的」に示されているのです。
https://gendai.media/articles/-/158402
いわば今、自民党を離れている旧支持者の方々は、前回の「党員票一位」の高市氏の敗北で『堪忍袋の緒が切れた』方々。一方で、今残っている人達は『堪忍袋の緒』が未だ切れてはいない方々。しかし、昨年同様の「裏切り」が今年も繰り返され、多くの国民が忌み嫌っている「石破路線」が小泉・林総裁の下で継続されれば、彼らの『堪忍袋の緒』もまた確実にぶち切れる事になるのです。その結果、自民党からますます多くの支持者達が去って行くこと必至です。
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世論調査に基づいてシミュレートした驚きの結果