「いじめ探偵」としてその名を知られ、数々のいじめ案件を解決してきた阿部泰尚(あべ・ひろたか)さんが、2022年から当サイトで取り上げ続けてきている静岡県湖西市の「いじめ隠ぺい放置事件」。これまでの湖西市サイドの真摯さに欠ける姿勢は怒りを超え呆れ果てるほどのものでしたが、その非道さはもはや看過できない状況にまで至っているようです。「いじめSOS 特定非営利活動法人ユース・ガーディアン」の代表も務める阿部さんは今回、自身のメルマガ『伝説の探偵』で、湖西市の対応の問題点を具体的な証拠資料を挙げつつ検証。その上で、行政の密室的な意思決定がもたらす権力の濫用状態と、形骸化するいじめ防止体制に警鐘を鳴らしています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:黒塗り回答が600万ビュー越え、湖西市いじめ隠ぺい事件その顛末に嘘だらけ発覚、権力濫用状態を告発
どうしてここまで嘘をつくのか。Xで600万ビューを超えた「湖西市いじめ隠ぺい事件」の黒塗り「のり弁回答」の異常
2025年8月14日、湖西市いじめ隠ぺい事件の被害保護者は、新市長の田内市長から直接、再調査も検証委員会もしないと通告を受けた。
私が、これを一方的な決定伝達という意味で「通告」という言葉を使うのは、毎回湖西市は、交渉や話し合いという言葉を使い、恰(あたか)も説明をしたというようにマスコミの取材に答えるのだが、交渉や話し合いであれば、互いの意見交換があるはずが、そうしたものはなく、説明であれば、仮に通告であっても、その決定プロセスを示すところ、そうしたこともない。つまり、これは強権的な専断の通告であり、その決定プロセスは密室政治そのものなのだ。
湖西市いじめ隠ぺい事件については動きがあるたびに記事にしてきたので、そちらをぜひとも参考にしてほしい。
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などなど
被害側が再調査ではなく検証委員会の設置を主張した理由
さて、なぜ被害側は再調査ではなく、検証委員会の設置を主張したのかというのは2つの大きな理由がある。
1つ目は、答申があった2023年5月11日(だまし討ち最終報告会)の段階で、当時の影山市長と教育長、教育委員会事務局では、いじめ防止対策推進法第30条にある首長権限での再調査委員会の開催をしないことが決定されていたのである。
これについては、新市長の田内市長が被害保護者との面談で、日時こそ誤魔化したが、再調査はしない方針が決定されていたことを直接伝えている。
私は独自の情報網で、この情報を掴んでいた。そして、当時の影山氏(前市長)は、即座に再調査をしない方針を出すことに懸念をもっていた。もしそうすれば、被害側が訴訟に持ち込み、マスコミ記者も多くの疑念を持っていたから炎上することを予想していたのだ。
そこで、検証委員会という一歩下がった提案をしたところ、これに喜んで応じたのだ。
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