国会を“メンツと権力の道具”として利用した高市早苗の罪。“良識の府”に予算成立の強行突破を阻まれた自業自得

ak20260402
 

今年1月に強行した衆院解散総選挙の圧勝で、強固な権力基盤を手にした高市首相。しかしその強権的な国会運営は、結果的に首相が執着した「年度内予算成立」という目標を頓挫させることとなりました。今回のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』では元全国紙社会部記者の新 恭さんが、高市政権が暫定予算案の提出という「政治的敗北」を喫することとなった要因を分析。さらに今般の国会で露呈した「高市早苗の正体」を喝破しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題::高市流傲慢が生んだ「政治的敗北」の深層

泡と消えた「年度内予算成立」。高市流傲慢が生んだ「政治的敗北」の深層

高市首相ただ1人がこだわってきた26年度当初予算案の「年度内成立」は、時間切れで泡と消えた。予算審議が遅れるのを承知で衆院解散を強行した自分のメンツのために、どだい無理なことを自民党幹部に押しつけ、とどのつまり、「参院の壁」に阻まれて、無残な結果に終わったかっこうだ。

高市首相は高い支持率を背景に、自らの権力を強化するため、1月19日に衆院を解散した。そのかいあって、自民党は圧倒的な議席数を獲得し衆院での少数与党状況を解消、党内における求心力を高めることにも成功した。

強いリーダーの資格を得た高市首相は、実質的な自民党の支配者とみられた麻生太郎副総裁に衆院議長ポストへの就任を勧め、怒る麻生氏の拒否にあいながらも、「一強」体制へ着々と歩みを進めた。だが、外部の敵から“解放”された高市首相を待ち構えていたのは、その内面に潜んでいた“魔物”だ。

新年度予算の審議入りが当初予定より1か月も遅れ、日程上、「年度内成立」が不可能であることは誰が見ても明らかだった。それでも、高市首相は「年度内成立」を諦めなかった。なぜそこに執着したのか。

歴史的な大勝利をおさめた総理大臣の頭を支配するものは、我々凡人の想像の及ぶところではないが、おそらく自己陶酔や万能感といったものが無意識のうちに広がっていたであろう。そんな心理状況にあって、唯一、“不満”があるとすれば、「解散で政治空白をつくったために予算執行が遅れ、国民生活がリスクにさらされる」といった批判の声だったはずである。

その批判があまりにも“正論”であるがゆえに、負けん気の強い高市首相は意固地になった。つまり“メンツ”にこだわった。国会運営に関わる自民党幹部をわざわざ首相官邸に召集し、「年度内の成立を諦めていない」と語ったのは、もちろん予算の超スピード審議を促す号令であり、絶対服従を求める圧力だったはずである。その心の底に、ここまで国民の信任を得た自分にできないことはないという驕り高ぶりがなかったとは言えないだろう。

その後、国対族としてならしてきた坂本哲志衆院予算委員長が職権を乱用し、野党が反対する中で一般質疑の開催や採決を職権で相次いで決定、わずか59時間に審議時間を短縮して予算案を通過させたのは周知の通りだ。

審議の短縮に反発する野党議員の追及に対して高市首相は同じ答弁を繰り返した。「国会の運営につきましては、国会においてお決めいただくものと承知しております」。

だが、これが“逃げ口上”であることは火を見るより明らかだ。高市首相の腹の中に「国会審議を短縮してもかまわない」という観念があるからこそ、その意を受けた予算委員長らが安心して動けるのだ。

この記事の著者・新 恭さんを応援しよう

メルマガ購読で活動を支援する

print
いま読まれてます

  • 国会を“メンツと権力の道具”として利用した高市早苗の罪。“良識の府”に予算成立の強行突破を阻まれた自業自得
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け