速読法を学ぶ前に。その本は、そこまでして読む価値があるのか

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日々仕事に追われがちなビジネスマンにとって、読書時間はなかなかとれないものですよね。どうしても速読法などに目が向きがちですが…無料メルマガ『弁護士谷原誠の【仕事の流儀】』の著者で自らも多くの本を読まれるという現役弁護士の谷原さんは、「速読は必要ない」と言い切ります。その根拠はどこにあるのでしょうか。

速読は必要か?

こんにちは。

弁護士の谷原誠です。

ビジネスパーソンの悩みとしてよく聞かれることに、「読みたい本がたくさんあるが、時間がなくて読めない」というものがあります。どうしたら速く本が読めるのかという、いわゆる「速読法」は、多くの書籍のテーマになっていることでもわかる通り、誰もが知りたい情報のようです。

私たち弁護士という職業は、個別の案件に関する法律や判例を調べるため、また法改正などの勉強のため、大量の書籍から情報を収集する仕事です。「速読法」について尋ねられるのも、そのイメージのためなのかもしれません。

しかし、私には特にこれといった速読法があるわけではありません。たしかに職業柄、短時間で大量の本に当たらなくてはならないことは多いのですが、読むこと自体に特別な方法はなく、ことさらに本を速く読もうとしたこともありません

むしろ、仕事以外で自分が読みたくて読む本、面白い本であれば、じっくり書いてあることを咀嚼しながら読むタイプ。自分の考えをまとめるためメモを取るなど、立ち止まって考えることもしばしばあります。

私は速読法を求める人に、聞きたいことがあります。

何のために本を速く読みたいのですか?」

ビジネスのために本を読む場合、何か明確な目的があるはずです。目的によって読書の仕方は変わります。たとえば、具体的な業務のノウハウを知りたい、自分の知らない業界の実情を知りたい、著者がどのような主張をしているのかという、本の骨子を知りたい。また、雑談ネタのため、ベストセラー本の内容を簡単に知りたいということもあると思います。

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