菅原道真公が愛した梅に、心奪われる旅。京都・北野天満宮の梅開き

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まだまだ厳しい寒さが続く日本列島ですが、確実に春の足音は近づいてきているようです。今回の無料メルマガ『おもしろい京都案内』では著者の英学(はなぶさ がく)さんが、例年2月初旬から3月下旬にかけて行われる北野天満宮の「天神さんの梅開き」を取り上げ、その見どころを紹介しています。

天神さんの梅開き

まだまだ寒い時期が続きますが、2月になれば京都には春の香りが運ばれて来ます。梅の名所北野天満宮では、毎年の2月初旬から梅苑を公開しています。京都に春を告げる「天神さんの梅開き」です。

北野天満宮は全国に約1,200社ある天満宮の総本社です。平安時代に活躍した学問の神様・菅原道真を御祭神として、947年に創建されました。学問や芸術の神として知られ、江戸時代には全国各地の寺子屋に天満社を祀るようになりました。各地の天満社では道真公の御神影を掲げて、学業成就と武芸上達を祈願したといいます。

政略により九州太宰府に左遷されてしまった道真公は、京都を離れる際に詠んだ歌があります。

東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな

道真公は自宅の屋敷にも梅の木を植えるなど、梅をこよなく愛していたと伝えられています。このため、北野天満宮の境内にも50品目約1,500本の梅の木があります。

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早咲きの寒紅梅、一本の木に紅い花と白い花が咲く思いのまま、本殿前に咲く紅和魂梅(べにわこんばい)など様々な梅が咲き誇ります。早いものでは年明けから咲き出し3月いっぱいまで楽しむことが出来ます

見所としては一の鳥居側にある梅苑で、白梅、紅梅、一重、八重など色とりどりの梅並木が続きます。

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梅苑が公開されている期間中は、茶屋が開かれます。また道真公の祥月命日にあたる2月25日には梅花祭と野点大茶湯も開催されます。上七軒の芸舞妓さん達による野点は京都の春の風物詩となっています。

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北野天満宮で育った梅には神徳が宿るといわれています。6月に神職の方が梅の実を採取して、夏に干して乾燥させます。それを大事に所蔵して6粒ずつ奉書紙で包んで「大福梅」として12月13日の事始めから25日の終い天神の頃まで参拝者に授与されます。

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北野天満宮では一年を通して道真公と梅との縁を大切にしているのです。

京都 梅の名所 とっておきの10選(メルマガ「おもしろい京都案内」第22号)

いかがでしたか? 京都は日本人の知識と教養の宝庫です。これからもそのほんの一部でも皆さまにお伝え出来ればと思っています。

image by: 北野天満宮 - Home | Facebook

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【著者】 英学(はなぶさ がく) 【発行周期】 ほぼ週刊

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