NHKのヤラセと政治の圧力、BPO検証を新聞各紙はどう伝えたか?

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NHKの「クローズアップ現代」でヤラセ演出があったとされる問題で、BPOが「重大な放送倫理違反」と公表する一方で、NHKを厳重注意した政府・与党を「圧力そのもの」などと厳しく批判したことが話題となっています。新聞各紙はこのヤラセ問題と報道圧力のどちらを重点的に伝えたのでしょうか?『uttiiの電子版ウォッチ』の内田誠さんが分析しています。

各紙は「BPO異例の意見公表」をどう伝えたか

◆今日のテーマは……。

各紙は「BPO異例の意見公表」をどう伝えたか、です。

【基本的な報道内容】

昨年5月にNHK「クローズアップ現代」で放送された「出家詐欺」の過剰演出(やらせ)問題で、放送倫理・番組向上機構の放送倫理検証委員会は6日、意見書を公表。「重大な放送倫理違反があった」と指摘する一方、この問題をめぐって高市早苗総務相がNHKを厳重注意したことや、自民党がNHK幹部を呼んで説明をさせたことを厳しく批判した。BPOが政府や与党に異議を表明するのは初めてのこと。

【朝日新聞】放送法が保障する『自律』を侵害

【朝日】は1面左肩に「自民の聴取、「圧力」と批判」との見出し。記事はまず、BPOが問題の放送について、旧知の登場人物らを初対面であるかのように装い、依頼したうえでの撮影をわざわざ「隠し撮り」のように行った点を指摘し、重大な放送倫理違反があったと断定したこと。続いて、高市総務相がNHKに厳重注意を行ったことは「放送法が保障する『自律』を侵害する行為」とし、自民党情報通信戦略調査会がNHK幹部を呼び番組について説明させたことも、「放送の自由とこれを支える自律に対する政権党による圧力そのものであるから、厳しく非難されるべきである」と批判したことを記している。(論点1から論点2へ。二つの論点はほぼ半々の扱い)。

この位置づけに対応して、38面には「「番組介入許されない」」「BPO 政権に強い姿勢」との見出しで、論点2のみを大きく取り上げている。リード末尾は「政権や与党によるメディアへの威圧ともとれる言動が続くなか、強い姿勢を見せた形だ」とする。

38面記事の中見出しは二つ。「自民の反発は必至」と「実態と違う放送内容「落胆」」。前者については、会見したBPO川端委員長の「行政からの指導、それも総務大臣という、放送行政で許可権限を持っている人がそういうことをする。非常に問題がある」という強い発言から、この間の権力による威圧的な言動の数々が紹介され、自民党幹部が、BPOを解体して、政権がもっと関与できる組織に作り替えるシナリオを描いているという話まで。後者の中見出しは、会見した升味佐江子委員長代理が「一視聴者として番組を見て、調査で現実を見ると、あまりに落胆する」と語ったことから引いたもの。

(論点の比重)1面の記事では1000字ほどの記事で比重は半々。38面も同規模の記事だが、こちらは論点2が重く、2対1。全体に、政府と与党による言論への圧力を強調する扱いになっている。

uttiiの眼

1面の見出しで政府と自民党の圧力を強調し、さらに38面記事は、政治からの圧力だけで大きな記事にしている。表現の細かなところでは弱気も見せているし、最後にまたNHK自身の問題に戻ってしまっているのはいただけないけれど、今の《朝日》としては頑張った方なのかも知れない。

BPOの意見書は、記事では尽くせない内容をもっているので、是非、一度見ていただけたらと思う。全体で28ページほど。「委員会の判断~重大な放送倫理違反があった」から最後までだけでも読んでみていただきたい。

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