「お前のためを思って言っている」という説教を聞き流していい理由

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「あなたのためを思って言っている」という言葉、かけられたことある方も多いのではないでしょうか。無料メルマガ『ビジネス発想源』の著者・弘中勝さんはそのような説教をする人間をまったく信用しないと言い切ります。いったいなぜ? そこには明快な理由がありました。

所詮他人事という助言

「あなたのためを思って言ってるんだからね」
「お前のためだと思って言っているんだからな」

私が、若い頃から全く信用していない言葉です。この言葉を聞くと、その言葉というよりも、その人自体も全く信用しません

「それがあなたのためだ」というのは、その人が自分の範囲で考えただけの見解であり、それを分からずに正解だと捉えてしまうと、自分の判断力はどんどん鈍っていきます。しかも、そういう人に判断を委ねた場合、大体の場合は失敗するし、失敗したところでその人は責任は取ってくれず、成功すると「私のアドバイスのおかげ」といつまでも恩着せがましく言ってきます。全くいいことはないのです。

「それがあなたのためだ」という人は、その人のために言っているわけではなく、人のために物を言えている自分が好きなだけです。自分の範囲内だけで好きなことを言っているので、その人自体に全く深みがなく、当然その発言も大して深みはありません。

デリヘル嬢を呼んで、しっかりプレイした後に、「こんな仕事、やめたほうがいいよ」とデリヘル嬢に説教しているオッサンのようなものです。言っている自分に酔っているだけで、全く説得力がないんですね。

そういう人の意見は聞くな、とは言いません。恩のある人の話は聞かざるを得ないだろうし、本当にずば抜けた意見であることもあります。でも、基本的には、「あなたのため」「おまえのため」と言って説教する人の意見は、「しょせん他人事という浅い意見」だという意識を持って聞くようにします。

判断するのは自分なのですから、自分の判断を最も大事にします。それがたとえ失敗しても、自分の経験になるからいいのですが、人の意見で失敗するのは時間の無駄です。

そして、「あなたのため」「おまえのため」と本当に思っている人は必ず、「自分で考えるのが自分のためだから、自分で考えてやってごらんよと勧めるはずなのです。

それは肉親でも同じことで、「良い大学に行きなさい。それがおまえのため」と言ってしまう親ほど、自分の子供が良い大学に行っていてほしいという自分の見栄でしかないのです。

だから、アドバイスをする側も、たとえ相手のためだと心から思っていても、「自分の意見をメインにするようではダメだけどね」という意識で聞いてもらうようにするのです。決めるのは自分、行動するのは自分。だから、俺の意見はあくまでも他人のアドバイス、というつもりで発言するようにします。

だから、自分のいうことを聞いてくれなくても、別に怒らなくてもいいし、たとえ失敗したとしても「ほら、俺の言うことを聞いていれば」などといちいちつっかからなくていいのです。

決めるのはその人自身、行動する人はその人自身。

その摂理をきちんと念頭に置いて、良いアドバイスだけを吸収し粗悪なアドバイスに無駄な時間を使わない、そんな良い生き方をしましょう。

【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)

  • 他人からどんなアドバイスをされても、自分は必ずこれだけは守る、これだけは譲れない、ということをノートに列挙する。

image by: Shutterstock

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