たった一人の管理センター職員が起こした、早稲田「女子人気」大革命

 

永江一石さんの回答

上記のブログにあるように、真の総務や経理は会社の利益に貢献するプロフィットセンターであろうとする方が正しいと思います。つまり、管理部門でも自分で自分の給料以上に稼げるんです。

例えば以前、早稲田大学が慶応大学と比べて人気が急落した時期、管理センターの一職員が情熱を持って改革を起こしたことがありました。早稲田は昔からバンカラのイメージが強く、古びた校舎や汚いトイレが目立ち、主に女生徒に敬遠されていたのですが、まずその改善から着手したんです。電球を変え、トイレをピカピカに清掃し、学校の雰囲気を全面的に変えていきました。すると、徐々に女性の志願率が上昇し、今や断トツの人気大学となっています。

これは管理部門が会社の利益に貢献した好例ですよね。

また、トヨタの「カイゼン」で有名ですが、会社において一番のコストは人件費なので、そこを圧縮するだけで大きな貢献に繋がります。「カイゼン」は、業務におけるムリ・ムダ・ムラを排除する、丁寧より拙速を心掛けるなど、個々人の無駄を徹底的に省いて効率を上げ、利益を生み出す方法論です。このように中で働く人材の時間を有効活用できるように工夫改善していくのも、管理部門の大事な仕事なんです。

経理だって、社員の不正請求を見破ったり、無駄な管理システムを見直したりするだけで経費を大幅に削減できます。例えば、これまでA銀行から借り入れをしていたところ、B銀行に変えれば金利が安くなると分かればそれを切り替えるだけで会社にとっては利益になりますよね。多くの人は考えるのが面倒なのでそんなことはしませんが、池井戸潤さんの下町ロケットに出てくる銀行出身者のように、熱血漢ならやり遂げるでしょう。

過去に私の会社の経理で最も優秀だった人物は、高卒でしたが税理士並みの能力を持っていました。M&Aされた時に転職していきましたが、後に入った会社を上場させたと連絡が来た時はとても嬉しかったです。

経営者として理想の経理」は、単純作業だけでなく経営管理も出来る経理です。つまり、今月の利益を見て売上予測を立てたり、補助金の申請をしたり、利益を出すためのアイデアを積極的に社長に進言できる経営センスがある人はいいですね。

どんなキツイ仕事であっても、仕事の面白さって自分で見つけるんです。土方でもペンキ屋さんでも営業でも、自分で仕事の中に楽しさを見つけて一流になろうと努力する人間と、単に言われたことだけやってる人間では長い年月を経ると雲泥の差が出ます。

今「自分の会社はブラックだ」と愚痴を言う人が多いですが、わたしもリクルート時代は月に平均200時間ぐらい残業してましたが楽しかったですよ。自分の頭で考えて動いていたので、受け身でやらされてる感は微塵もありませんでした。

 

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著者:永江 一石
商品開発や集客プロモーションを手がける会社を設立し多くの企業のマーケテイングを行う。メルマガでは読者から寄せられたマーケティングのお悩みに対し具体的な解決策を提示。ネットショップや広報担当を中心に多くの購読者から支持されている。
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