まとめ(戦略ショートストーリー)
手軽にステーキを食べたい方をターゲットに、少ない従業員でも店を回せる仕組みに支えられた「本格的なステーキを手軽に食べられる」という強みで差別化を実現しています。
上質なステーキを安く提供するだけでなく、肉マイレージカードに食べた量をデータとして蓄積し、食べた量を競争する楽しさを提供することで、顧客の支持を得ています。
分析のポイント
「他社(競合以外)から学ぶ姿勢」
ここまでの「いきなり!ステーキ」分析をとおして、お気づきかもしれませんが、既存の企業で似ているお店が存在します。そうです。「俺のフレンチ」や「俺のイタリアン」などのお店です。大成功を収めているお店ですね。共通点としては、高級なものを安く提供することや立ち食い、高回転率などがあげられます。
ペッパーフードサービスの一瀬社長は「いきなり!ステーキ」の検討の際、俺のシリーズのお店を視察に行かれているそうですので、成功企業の成功要因をうまく自社に取り入れている好事例といえます。
ここで重要なのは、他社(競合以外)から学ぶ姿勢です。
競合する企業の成功事例を取り入れたとしても、やはり、オリジナルに勝つのは難しいです。先行企業の方が一日の長がありますので。
一方で、競合しないお店の成功事例を取り入れると、競合内で際立つということが多いです。例えば、ファーストリテイリング(ユニクロ)の成功要因のひとつに製造小売り(SPA)があげられますが、このSPAをメガネ業界に取り入れて躍進しているのがJINSですね。
本メルマガでもJINSを取り上げています(Vol.0)
また、Vol.28で取り上げたヤキタテイは、パン屋に100円均一を取り入れることで、人気店となっています
●【MBAの企業分析】大ウケ100均パン屋の顧客満足度が異常に高い理由
そして、「いきなり!ステーキ」は成功事例を取り入れるだけでなく、自社オリジナルの顧客のファン化の取り組みである肉マイレージカードを加えることで、より際立つ存在となっています。
つまり、他社の成功事例に自社の独自性を加えることができること、逆に言えば、自社の独自性が活きる成功事例を取り入れることが重要ということです。
他社(競合以外)から学べることは非常に多いと思いますので、例えば本メルマガで取り上げた企業からマネできることはないかという視点を持って読んでみることをお勧めします。
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